現実的な対応とは
2017年05月31日 (水) | 編集 |
 このへんは見習って欲しいところだなあ、歴史の背景が違うということはあるにせよ。——と思った記事。

佐藤琢磨選手のインディ500優勝は大変な快挙
2017年05月30日(火)16時10分 Newsweek 日本版/冷泉彰彦

 私はモータースポーツにはほぼ興味がないので(いくらかまともに見ていたのは、アイルトン・セナがご活躍だった頃だけ;;)詳細は分かっていませんが、それでも、佐藤琢磨さんのこの偉業がどれほどのものかはわかる、つもりでおります。

 最初は、これほどの偉業を日本のマスコミは無視しかねない態度だったことにイラっときていましたが、次にはそれどころではなくなってしまいました。

 地元紙デンバー・ポストの記者が、「日本人の優勝は不愉快」とネット上に公開される場所で書いたそう。
 そりゃまあ、優勝どころか日本人がいること自体、ふつーだったらあり得ないことですから、不意打ちくらった気分だったんでしょうね。
 
 興味深いのはそのあとのこと。
 その記者の発言から数日とおかず、デンバー・ポストは彼を(実質)解雇し、これはデンバー・ポストの意見ではないことを表明したうえで謝罪。同記者が失職したことも合わせて公表。

 素早い。それにはっきりしてる。
 これはエライなあ…と、ため息が漏れました。

 以前から大相撲での、「日本人力士への露骨な贔屓」「外国出身力士への差別」についてイライラし、しかも、それを相撲協会も、マスコミも指摘もせず、それどころか、むしろ、日本人贔屓、外国人差別を煽るようなことを平気でNHKの実況すら言っていたわけで。
 ついには先場所、客による差別発言が、これはもうごましようもなく放送されてしまい、さすがに、相撲などどーでもいいと思っている人々も見過ごせないことになりました。

 これがサッカーだったらその人物を特定して出入り禁止にし、その人がサポートしていたチームにも処分がくだる。それほどのこと。

 発言者の特定ができないわけがない。技術的なことでもそうだし、何より、いまだ「茶屋」制度が生きている以上、本気で調べればどの客だったかくらいのことが、わからないはずはない。
 でも、うやむや。
 ここ何場所かは私もアッタマに来ちゃってろくに本場所なんか見ていませんでしたが、この五月場所はさすがにおとなしくなってましたね。私が癇に障って見ちゃいられない、ということはなかったようです。ふん。(←鼻息)
(ほとぼりが冷めたらまたぞろ始めるんじゃないの、と冷たく予想してますが)

 そういうところにイライラしたり情けない思いをしていたりだったので、——このデンバー・ポストの対応は素晴らしい……と、頭がさがる思いでした。

 もちろんこれを持って「だからアメリカは素晴らしい」とは言う気はありませんが(特に現状においては)、でも、そういう、社会的なコンセンサスがある程度はできている、それは見習いたいところだと思いました。

 これまで果敢に国外での活躍に挑戦した日本人が、何の差別も受けなかったかというともちろんそうではなかった。
 そういうことにそれなりに怒っていたはずの人が、けれども、相撲についてはあの醜態。
 情けないなんてもんじゃない、と思っているところだったので。
 これは、見習いたいし、見習って欲しいとも思ったんでした。

「いじめ対策」も例えば、こういうこと。
 問題はなくなることはない。必ず、こういう元記者みたいな人は出てくる。
 問題をなくす努力も必要だけど、それ以上に、「問題が起きたとき、早期に解決する」そのための準備は大事だ、ということなんですよね。

 コンセンサスと一言でいっても簡単じゃないことはよくわかってはいますが、けれども、この対応は見習いたいと思ったことでした。素早い対応のおかげで、佐藤琢磨さんの偉業も、それへの評価も、損なわれずにすみました。
 ありがたいことであり、見習いたいところです。
 これを見れば、早期解決がなぜ必要か、よほどのボンクラか、あるいは故意に解決させまいとする人でない限り、わかるはずだと思います。


 佐藤琢磨さんの今後のご活躍をお祈りしますとともに。
 これ↓も前後して聞こえてきたニュースである、ということも、残しておきたいと思います。

差別暴言からムスリム少女守った乗客、2人死亡1人重傷 米西岸
2017年05月29日 BBC NEWS JAPAN

 
 
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