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私欲で目がくらむ

 諸般の事情から、ツイートの引用も記事の引用もためらわれるので、私の心もとない要約のみで話を進行させてしまいます。意味不明瞭のところが多々あると思いますが、ざっくりした「あらすじ」がわかればいいやくらいのおつもりでお付き合いください。

「けものフレンズ」というアニメ番組がございまして、こちら、大変人気もございます。

けものフレンズプロジェクト公式サイト

 で、その作品のファンである人々の中には、この作品を元にパロディ作品(小説や漫画、デジタルコンテンツなど)を作っている人々がいる訳ですね。
 こういう作品を「二次創作物」と総称します。

 一次はもちろんオリジナル作品のことで、二次創作は、ここでは主に個人が自分の好きなようにパロディとして作ったもの。

 このパロディの中にはエロ作品も含まれます。二次創作=エロ、ではありませんが、二次創作物には珍しくないものでもあります。

 この二次創作物のエロ作品を「公式に禁止にしてもらうための署名活動」を立ち上げた方がいらしたそうです。
 どの程度署名を集めていたかは存じませんが、署名人数がツールによって水増しされていたことが発覚し、署名活動は終了。現在は署名活動は行われてないとのこと。

 早い話、オタク腐女子と呼ばれる連中のやることを全面的に「公式によって」禁止しよう、という、思想統制の発想なんですね。

 この発起人という方のツイートもいくつか拝見しましたが、今回は「けものフレンズ」だけど、ゆくゆくは、「すべての」成人向け二次創作へと、この活動の対象を広げていきたい、とのことでした。

 ここで一つ確認したいのは「猥褻物」と「成人向けコンテンツ」は違う、ということ。
 前者は完全に法律違反。
 後者は合法、適法のものです。

 エロ作品、と言ってしまうと違法のイメージも強くなるかもしれませんが、同人業界(……業界っていうのかな)では、適法であることを厳格に守るように指導も自主規制もされていますので、エロと言っても適法のものである、とご理解願います。

 適法の作品は「18歳未満」の方には販売できませんが、それ以上の方(成人)には販売できるもの。
 違法の猥褻物は何歳であろうと関係なく販売、それどころか所持自体でお縄になるもの。

 二次創作物に好意的な人ばかりではないことは重々承知しておりますが、エロ作品は法に従ったものであれば、製作・頒布に問題はありません。

 いわば、一般の書店でゾーニングされつつも販売される成人向け雑誌と同じもの。
 そういうものを「とにかく禁止」にする、「禁書」にしようという訳ですね。
 これが妥当なことかどうかは、すぐにわかるでしょう。

 思想統制する気なんですねこの発起人は。
 しかもその根拠は「自分が不愉快だから」。
 ……自分一人の好き嫌いの話か

 どうにもあきれた話ではありますが、でも、多いんですよねえ…。自分の嫌いという感情で目が眩んで、自分が何を言っているのかもわからなくなっている人ってね。

 二次創作物に問題があるとすれば、エロかどうかではなく(これは法律に従っていれば問題ない)、むしろ、二次創作物の頒布にあたり「金銭の授受」があること。

 個人が好きなアニメのキャラを落書きして、友人に見せて、上手だね〜と言っているぶんには、権利者も口出しするところではありません。
 同人とは「同好の士」のことであり、その友達というのがもう少し規模を広くしたもの。
 ……ということで始まったのが同人誌であり、ただ落書きを見せ合うばかりとは言えない規模に広がったので、本を作る実費とかはもらってもいいかな、ということになり。

 同人のほとんどは儲けなどない状態ではあるものの、金銭の授受があるとなれば、権利者は介入する余地がある、と言えます。
 ここんところはもう法的にはグレーゾーンというほかはない。ゆえに、オタク腐女子は息を潜め、自分たちの行動を自ら監視しながらここまで来たという事情がある。

 署名の発起人がつつく余地があるとすればこの点でしょう。

 エロかどうかではない。二次創作物自体を否定する、ということなら理解できますし、公式による禁止も、現実的なものと言えます。
 でも、発起人自身は「二次創作そのものを規制するつもりも成人向けの表現を規制するつもりもありません」というツイートもしている。
 正直言えば、私には意味不明です。

 結局、自分が気にいるような作品ならOKだが、自分の好きなキャラを使ったエロ作品は許せない、ということでしょうかね。この文脈だと、そのようにしか「理解」できないんですが。

 なんにしろ。
 二次創作物の頒布が法的にグレーなのは認める。この点から禁止を訴えるのなら理解できる。
 でも、二次創作は禁止じゃなくていい、エロパロディをやめさせよう、と言っていながら「ゆくゆくはこの”公式によって二次創作物の禁止”を全面的に広げたい」とは………どうも私には、この人の「話の筋」が見えません。
 見えるとすれば「要は自分が気に入らないからやめさせるってことでしょ?」ってこと。

 自分の好き嫌いでしかないのに、他人を巻き込んで「正義漢ヅラ」する、というの、本当に多いなあ、とうんざりしてます。

 この手の話にはもうそれこそ、私も30年ほども見聞きしているので……「またか」というのが正直な感想です。
 で、こういう手合いをまともに相手にして、表現の自由がどうしたのこうしたのと言うのも嫌なんですよね。だからあんまりそういうことを言って反論したくもない。

 なんせ私は日頃から、「二言目には自由と権利を持ち出す人間は信用しない」と言っているので、自分がそれらの単語を引っ張り出して話すのってかなり抵抗感がある(笑)
 私がそういう言葉を使っていたら、そりゃもう相手は相当なアレだと思ってください(笑) そんなの相手にもしたくないけど(笑)

 自分の好き嫌いとものの道理をごっちゃにする人が多いけど、物事の筋道を考えたいのなら、自分の好きとか嫌いとかいう感情を排除しないとできませんよ、と。
「私心」「私欲」を離れる、とは、要はそういうことよ?

 政治家のことなんかを私欲の塊みたいにいう人は多いけど、自分自身が自分の利益や感情に振り回されている「私欲の人」であるという自覚を持って欲しいなと思いますね。
 自分はいいけど政治家はダメだなんていうんじゃないでしょうねまさか。


 ところで今回はなぜツイート等を引用しなかったかというと、どうもねえ……この署名発起人にせよ、「署名に反対する署名」の側にせよ、どうしても言葉にいらんものが混ざっていて、私には、適切な言葉だとは思えなかったので。

 聞き苦しい、見苦しい言葉は、特に誰かを非難しているときには気をつけたほうがいい。ただでさえ第三者から見れば非難というのは聞き苦しいのに、言葉そのものが「お里が知れる」ような下品なものだと、嫌悪感を持たれるほうが先で、主張などをまともに聞いてもらえなくなるから。

 共同通信の記者が、取材を断ったお宅に器物損壊の暴挙に及んだという話、この記者の行動を告発した人は、でも、取り乱した言葉を使っていない。
 あくまでも自分の品位や尊厳を損なうことのない態度を維持していらした。偉い、と思いました。
 ——汚い言葉遣いは自らを汚す。
 私も心しておきたいと思います。(←育ちに問題がある;;)
 
 
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