本当に求めるもの
2017年03月01日 (水) | 編集 |
 本人としては案外、特に意識していないとか、深い考えがあってのことではない、ということもありそうではあるので、私もそう強くこだわる気もないんですが。
 でも、やっぱり、アレはやめた方がいいと思うなー。
 自分で自分をブスとかいう、アレは。

 私の考えるところでは、美男美女と言えるような人というのは全人口の中でもその比率は高くない。てことは、まあ大抵の人間は「非・美人(この美人には男性も含まれる)」ですから、……なんていうのかねえ、あえて取り上げるほどのことではない、という感覚。
 身もふたもない言い方ですが、ま、非美人は当たり前、お互い様、それが普通であり日常。そういう感覚。

 だから、よほど外見上の特徴があるなら別ですがそういうことでもない、「ありきたりの非美人」なのに、あえて、わざわざ、自分で自分をブスだのブサイクだのいうのを聞くと、びっくりするし、戸惑うんですよね。
 何でわざわざ(わかりきったことを)言うの? と。

 どういう「目的」でそんなことを言うんだろう? と、つい勘ぐってしまいます。
 いちいちいうようなことじゃないのに、それでもあえて取り上げるのは、何かそれに関係することで言いたいことなり要求したいことなり、何か「思惑」「目的」があるだろう、と思えるんですね。

 それが深刻な様子ではなく、冗談で言っているにしろ、明るい雰囲気で笑いながらであるにしろ、「わかりきっていることをなぜいちいち持ち出すのか」というのは、ちょっと人を不安にさせるもの。
 
 何が言いたい? 何を要求してる?

 ついそんなふうに感じて、こちらも身構えてしまう。

「私ってブス」みたいなことを言われたら、一応、たいていの人は「そんなことないよ」で否定・慰めの態度をとりますが、実際求められているのはそういう反応ではないような気がする。

 美人以外の容姿については、あとはもう、各人の「好み」の話にしかならない。つまりは主観ですよね。
 私から見れば、まあ確かに美人じゃないだろうけれどもでもブスってこともない。何を言ってんの? と思っても、本人の主観でそう思うのだと言われたら、私の主観の話をしたってしょーがない。

 ということで、私はたいてい、こういうことを言われると黙ってしまいます。そんなことはないよ、という場合もなくはないけど、言っても無駄だし、本当に要求されている答えはそんなことじゃないよね? と思うから。

 先日は、無駄に他人にイライラしたりどうしても愚痴を止められない、というお悩みに対して、私のオススメは「鏡を見て、自分ににっこり笑いかける」こと、と申しましたが。
 ご丁寧に鏡を見て、あるいは自分の写真を見て、自分はブサイク、と暗示をかけるというのは、どうにも理解不能です。

 自分はブサイクという暗示をかけると本当にそれが現実化する。鏡に向かってにっこり、の効果を実感した身としては、ブサイク、ということの「結果」は、想像するだに恐ろしい。

 こういう、自分で自分を貶す人に「えーそんなことないよー」と応じて、相手をするのが実に面倒だ、と言った人もあります。
 うん、まあ、だいたい、一種の形式美というか、会話の流れとしては決まりきってますよね。(^^;;
 相手は「そんなことないよ」というしかないのをわかっていて、自分をブスだと言い、それを否定されるのを待ってる。ああいうのを相手にするのは面倒だ、という。

 そうですねえ、とは言いつつ、でも、私の見るところでは、ただブスだというのを否定してもらいたいだけではない気がする。
 人によっては、その否定をした途端、怒り出す人もいますから。むしろ下手に否定をすると「逆鱗に触れる」くらいの勢いで怒られることもある。
 怒られた方としては実に理不尽に感じますけどね、あれは。(^^;)

 まあそこだけ見ていれば、なるほど「面倒臭い」ってことになるでしょうけども。
 じっさい何を要求されているのかはわからないけど、でも、「本当に」本人が求めているのは、単に言葉での否定ではない、ということだけは、うっすら、わかる。

 私にわかるのも、でも、そこまでです。
 私ってブスだよねという人が、何を求めながらそういうのかまでは、ちょっとわかりません。適切には。

 鏡を見てがっかりしない人間てのはあんまりいない、ということだけは承知している。私も友人知人に、男女とも、美人と言える人たちがいましたが、その人たちでさえ、自分の外見上のコンプレックスを本気で語るんですよね。
 あんたがそんなことを言うならアタシなんてどーなんのよ、コンプレックスどころじゃないよ、もう生きてらんないレベルってことよ、首をくくんなきゃいけないじゃないのさ! と、頭に来るくらいだけど、本人は本気なんですよね。本気でコンプレックスにしているし悩んでいる。

 面白いのは、肌のこういうところが悩みで、とか、体のこういうのがコンプレックスで、という具体的な話なら、そうかそうかと聞いていられますが、総括的に、あるいは漠然と、「主観」それだけで、ブサイクだの何だの言われると、返事のしようがない、ってこと。

 主観というのは他人からはもうどうしようもない領域だから、それで困っちゃうんですかね。

 その主観を他人に披露するのは、では、なぜか。

 考えてみると不思議です。

 そんなことないよと言ってほしいのか? でも、いうと逆に怒るのはなぜなのか。


 謎は深まるばかりではございますがともあれ、ただでさえ非・美人の我々は、さらにそれを進化させるような自己暗示をかけるようなことだけは、避けた方がいいんじゃないか、と思う次第です。
 とりあえず、周囲の人間としては返答に困るだけなので、あえて避けていただけるとありがたい。

 さもなければ。
 そういう言わずもがなのことをわざわざ他人に表明することで、本当には、何を求めているのか。——そのへんを具体的に示してもらえれば、本当に助かります。
 よろしければ是非ご一考を。
 
 
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