「真田丸」大団円
 今年の NHK大河ドラマ「真田丸」、昨日で全50話完結でございました。

 映画もそうですが、こういう作品の、成功するしないというのは、不思議ですよねえ。
 プロデューサーと、脚本と、演出、音楽、俳優、……面白かったものというのは、それぞれがうまい具合にかみ合っている、相乗効果になってる、というものが多いですね。

 それぞれの要素がいいと面白くなるんだねと思うけど、これはそうとも限らない。

「興行成績」はイマイチという作品でも、個別に見るとそれぞれの要素はきっちり「質」の上等であることは疑いない、というものがある。
 いわば、個別の要素はそれぞれ、品質面では十分なのに、でも、全体としてのドラマなり映画なりとしては、面白くない——そういうものってあります。

 面白いと思うもの、「うける」もの——それは実際には「何」が決めているんだろう、と、不思議に思いながら1年、楽しく拝見しました。

 私個人としては、物語冒頭を引っ張った、武田勝頼が麗しくてようございました。
 偉大なる父親を持った不運、勝頼さんは長い間、「暗愚の人」という認識をされてきたけど、詳しく見ると決してそうではないというのはわかること。なので、今までのドラマで典型的に描かれる勝頼像は、フィクションとはいえ気の毒すぎると思ってきまして。
 その溜飲が一気に下がることになったのが、この真田丸の勝頼さん。キャストは平岳大さんで、いやーもー、美しかったですね〜。

 脚本・三谷さんの人間観察とその描写には恐れ入るのですが、その実力が遺憾なく発揮されたものだったと思います。
 今後、映画やドラマで勝頼さんを登場させるなら、あれを一つの基準にしていただきたい。

 暗愚どころか極めて聡明であり——聡明であるゆえに、自分が置かれた状況や、周囲の連中が何をしているのか何を考えているのか、「わかっている」。
 聡明であるゆえに自分の運命さえ「覚って」しまう。
 頭がいいというのは基本的には羨ましいことのはずですが、あの勝頼さんにはむしろ、その聡明さが、おいたわしゅうございました(涙)

 私個人の事情としては今回は、ツイッターを見る楽しみがあったのも大きかった。
 私が唾棄する勢いで嫌っているのが「史実厨(しじつ・ちゅう)」という連中で、この連中がTLに現れるともう、なんの楽しみもなくなりますね。

 これはドラマだっつってんだろーが!! とわめきたくなるくらい、歴史はどう史実がどう史実は違うあれは違うそれが違うって、もうねえ!!! 首絞めたくなりますよほんとに。(←目が本気)

 それも今回は、考証担当の先生が同じくツイッター上で、いかにも学者さんらしい控えめさ、慎重さで持って、バカでもわかるように丁寧に説明してくださったおかげもあり、静かになってくれたのはありがたかったです。

 その上、ご出演に大泉洋さんがおいでということで、開始早々から「水曜どうでしょう」をもじった「真田丸どうでしょう」というタグが登場しまして。
 このタグで見ているぶんには、さしもの史実厨も湧いて出ることもない。ほんとに、ありがたいやら面白いやら。
 洋さん、魔除け(笑)

 でも実際、三谷さん、わざとかなあ? というくらい、どうでしょうネタが織り込まれていたような気もするんですけど……考えすぎ? (^^ゞ
 
 先日の「あさイチ」の特集の中で聞いたことですが、シリーズ始まって当初は、多分こういう史実厨みたいなのが中心でしょうが、ネガティブなご意見の方が多かったそうですね。
 それを知った心ある人々が、ネガな意見ばかりになるとドラマが捻じ曲げられる、という危機感を持ち、皆さんドラマを「支持」するご意見も寄せてやって! ねえ、黙ってないで! と呼びかけ、以後「大勢」が変わったとのこと。

 これは大事なことだなあ、と思いました。
 だいたい文句タレの方が、ああいうことに熱心なんですよね。ふつーにドラマを楽しんでいる人は、あえて制作サイドに何かを言おうなんてことはあんまり思わない。
 
 ドラマの感想に限ったことではなくて、文句なんて、そんなもんはだいたいは言わなくてもいいこと。
 むしろ感謝をこそちゃんと言え、と。
 でも、日常私どもはその逆をやってる。
 恩は忘れて恨みを忘れない。——逆にしろよそれ。って話。
 これは私も要反省;;

 音楽でも——辻井伸行さん、三浦文彰さんが演奏を担当されまして。辻井さんはすでに十分な知名度がおありでしたが、三浦さんはここで一気に知られるようになったというのは、ファンとしては嬉しいことでした。
 ………人気出るとチケットがまた取りにくくなっていくんだよなあ、と考えるとちょっと泣けるけど、いえ、いいんです。あの実力ですから。まだまだ先があります。
 1年間、毎週あの音色を聞けたのは幸甚というほかはなかった。さらなるご活躍を祈る次第です。

 肝心の、昨日のドラマの内容ですが。
 もうね、最後がどうなるかはわかっているので、みんなもう、たぶん放送開始前から、涙腺ゆるんでましたよね(笑)

 でも、変なふうに感傷的になるわけでもなく、いいドラマだったと思います。

 書きたいことはまだ他にも山ほどある、ってところが、その面白さを証明するでしょうか。
 楽しい1年だったなあ、ということで、感謝、感謝、でございます。
 
 
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