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口は悪いが人は良い?

 例によってカルチャースクールで、先生をまじえて雑談中、なんの話からだったのか、「自称・口は悪いが悪意はない」人の話になりまして。
 わたくし、即座に全面否定いたしました。
「いや。口が悪いということは腹の中も悪いってことです。自分の身内はそんなんばっかりなんで、間違いないです」

 日頃あんまり、はっきりした言い方はしない方なので、けっこう強い口調で言ったことが、ちょっと驚かれたようですが。
 でもこれははっきりしておいたほうがいい、と思いまして。

「あれはもう、あまりにも腹のなかが悪すぎて、何が良くて何が悪いことかわかんなくなっちゃってるんですよ。だからそう言うことを平気で言うんです」

 悪気はないんだとか、自分は気はいい奴なんだとか(それをテメエで言うところがダウト)。
 実際、こう言う人って、自分の気が向いたときには、必要以上に親切ぶったり気前がいいところを見せようとします。
「根は悪い人じゃない」アピールがすごいんですよね。

 それもある種の「ギャップ」であることには違いなくて、ふだんがヒドイだけに、「いい人アピール」してるだけの親切に、ころっと騙される、感動しちゃう、そう言うひとも少なくないようですが。

 こちとら物心つく前からそう言う手合いには泣かされてんですから(文字通り)。

 古来(?)「江戸っ子は 皐月(さつき)の鯉の吹き流し 口先ばかりで はらわたはなし」なんて諺もありますが、これ、嘘ですからね。
 そういう「口が悪い奴」の、最低の言い訳です(断言)。

 芯から腹のなかに悪いものはなくて、人様に対しても優しい親切な人が、言われたほうがショックを受けるようなヒドイことを平気で言えると思いますか。
 言ったあとで、平気でいられると思いますか。
 そんなことがもしあるとしたら、もんのスゴイ矛盾になってしまう。

 先生、笑って、
「うちの生徒さんでもね——いる。口が悪くてね。しょっちゅう他の誰かが傷ついてる。
 で、その人が、私のところへ来てね、『先生、私、どうしても許せないことがあるんです』って。
 何かって言ったらね——『人を傷つけることを言って平気でいる人って、許せない』って」

 ああ……、と、その場にいた一同思わず、声にならないため息をつきましたね(笑)

「ちょっとまって、それ、あなたが普段自分でしてることでしょ? あなたの言うことでみんな傷ついてるのよ? あれはどうなるの? それは許せるの? 
 ——って思いながら、ああ、そう……って聞いてた(笑)」

 もう笑うしかないって奴ですね。( ̄▽ ̄;)
 あのようすでは多分、先生ですら、何らかの「被害」に遭っていると思われます。

 なぜああ言う人たちは、あんな見え透いた嘘(=口は悪いがハラはいい人)を言うんだろう、というのが、私の子供のころからの疑問でした(五つ六つの子供に見透かされるようなことなんですよつまり)。
 自分がそういう、意地の悪い、他人から唾棄されるほどに嫌われて当然だとは、認めたくないから、なんですね。

 人間の脳みその新皮質には、「よりよく生きる」というプログラムがされているんだとか。
 誰だって、自分は「いい人」で、「よりよく生き」ている、と思いたい。
 でも、実際の自分がしていることといえば、他人を言葉の刃で殺すようなことばかり——、それを認めてしまうことが怖いんでしょう。

 だから、悪気はない、故意じゃない、自分は「いい人」なんだ、というアピールをする。

 他人を傷つけることを平気で言える人は許せないって、アンタそりゃ自分のことだろう? と、そんなふうになってしまう。

 ただそれでも。
 ——自分で自分のしていることが何かわからない、ということは、多かれ少なかれ人間にはあるんですよね。

 ああいう人たちはかなり極端な例ではあるでしょうが、彼らと同じことを、たいていの人もしている。
 内省のないところに進歩も成長もない、と思う理由です。

 可能な限り——自分が何をしているかをわかっておきたいとは思いますが。
 これが、なかなか。(^^;)

 
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