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火星から金星までの距離

 じつは私はくだんのCMを見ていないのですが。(^^ゞ



 なかなか面白い。
 反発する女性、反発する女性に反発する男性。

 私としては、反発する女性たちが示しているもの、わかる気がする。
 同意かと言われれば、概ね同意です。

 でも、感情的になっちゃいかんよ、とも、思います。

 たぶん、女性たちが反発していること、その内容や主張自体は「筋が通ってる」のですが、でも、「伝え方」を間違えると、伝わらないな、と。

 旧来からの価値観は根強いもの。反発している自分自身さえ「汚染」されている上、自覚できないことが多い。
 フェミニズムは「男性の真似をすることが女性の解放」だという大変な過ちを犯したけれど、その過ちの原因は、「男性女性を問わず、男性的であることが善であり正義である、という社会通念から、自分自身が自由になっていなかったから」。

 善悪というものすら否定しておくべきところ、それをせず、性別の対比にだけ注目してしまい、自分が「善なるもの」だと信じているもの、それがそもそも男性の価値観だということに気づかずに来たのが間違いの元。

 このへん、ああそうかと思ったのは私も本当にごく最近のことなんで——なかなか、いちど染まってしまった潜在意識からの書き換えは容易じゃないと実感しているところです。

 最初にこのニュースを聞いたとき、「またかよ」とうんざりしたのは「女の子」論。
 一連の「なんとか女子」という言い方、「女子会」という名称に、「女子ってトシかよ」と噛みついたのは野郎どもばかりでした。

 くだらねえなと思いました。もともと、女子という言葉には年齢制限は含まれていません。おなごという大和言葉に漢字を当てたもの。おなごもおみなも単純に性別のことを言うだけで、子供から大人まで使った言葉です。

 女子と言われて未成年の女性を想像するのは、小学校からの言い方の残像なんでしょう。

 その一方で、この「若い女」についての男性の意識の強さがそこから見えたのも、面白いといえば面白かったなあ。
 もちろん単純に性欲の対象としても意味が大きいんでしょうが、そればかりではない、なかなか複雑な心情もあって、ふーん、と思いました。

 基本、男性は嫉妬深い。
 女性に対して、私にはちょっと理解できないような嫉妬の感情がある。



 どんな幻想を見てんだこいつ。というのが正直な感想ですが。(^^;)
 ちょいちょい見かけるミソジニーの言い草に「女は人生イージーモード」ってのがありますね。
 女性はその「性」をあれこれ使って「楽に」生きられる、女はいいよな〜、ってやつ。
 そうか、そんなにうらやましければオマエやれよ遠慮すんなよ。と思うばかりで、私はあんまり気にしてこなかったんですが。

 女性は楽でいいよねという時、その脳裏にある「女性」がどんな女性か、というと、これがもう、どこにそんな女がいるんだよと言うしかないような「幻想の女性像」なんですよね。

 たまにはそういう女性もあるかもしれないが、大多数の女性は、別にチヤホヤもされず美しくもなく色っぽくもなく、もしくはむしろじぶんの性を「嫌って」いたりする。

 歌舞伎の女形、谷崎潤一郎の世界、渡辺淳一センセイの描く女性たち——「女は楽でいいよな」という人の脳裏にある女性像。

 妄想するのは勝手だけど、その妄想を現実に持ち込むのはいーかげんやめろ、というしかない。(^^;)

 まあ、殿方にそういう人たちがあるというのはある意味、しょーがないことなんでしょうが、キリスト教文明においてはフェミニストすら「善なるもの=男性」の概念から自由になっていないのと同様、野郎どもが妄想する女性像が「社会常識」とされてきたことが、根の深い問題になっているな、と思いました。

 女性たちの反発はここにある。
 ありもしない幻想に、現実の人間を無理やりはめ込み、「型押し」しようとすることへの強烈な抵抗。

 この反発と抵抗はもっともなことでしょう。
 足に合わないガラスの靴を履くために、かかとを削ったというシンデレラの義理の姉さんみたいことを、お前らやれと言われてはいそうですかというバカがどこにいるか。

 その反発には筋が通ってる、と私が思うのはこのへんです。

 ですが。
 頭にくる、というのはわかるんだけど、そこはぐっとこらえて、冷静に、理路整然と、「説明」したほうがいい——とも、思うわけです。
 そうでないと、伝わらない。
 誰だって、感情的になってガーッと怒っている人には近づきたくないですよ。
 言っていることが「正しい」としても、とにかくそのガーッとなっているのに巻き込まれたくないから、ハイハイと言って遠ざかるだけ。

 つとめて冷静に。
 わからんちんはどうやったってわからんちんですが、でも、「話せばわかる」人が皆無ってこともないので。世の中って。
 だから、そういう人に話すつもりで、ゆっくり、丁寧に。

 丁寧に話そうと思ったら、自分自身の感覚や感情とも、一度、ゆっくり「話し合う」ことになる。
 それが自分の「果実」になるので、ゆっくりとでも、どうぞ。(^^)


 話はまた少し変わって今回のCMについては、以前から資生堂さんが打ち出してきたイメージなりメッセージなりを支持してきた人ほど、「落胆」した、というのが、実情じゃないかなと思いました。



 私はどこのメーカーさんがどうこうということはほぼ、気にしないで生きているので、「資生堂さんはそういうイメージだったのか」へー。というばかりですが。(^^;)

 以前の資生堂さんの広告イメージはもっと凛としていた、という印象ですね。
 でも、広報が変わったのか、あるいは、こんな時代で変なふうに顧客に「媚びる」ようになったのか、どうも、企業としての主張より、「売らんかな」精神の方が先に現れているように思います。

 男性が考えている女性像があり、その女性像をもとに「こういうのがウケるだろう」という考えのもとにやっているので逆に「現実の女性」を怒らせる。そんな気がする。

 ジーンズの SOMETHING も実は現在の方が二十年前よりも女性蔑視的表現を平気でやるようになった、という話も聞いて、困りましたねと思ったり。

 考えてみればつい最近まで、女性の下着の企画開発に女性社員がいないなんてのが当たり前だったわけだしなー。
 ワコールさんが「胸をコンパクトにする(小さくする)ブラ」を発売したら爆発的と言っていい人気になったけど、それを見たときの世の男性の驚きぶり、私にはギャグにしか思えなかった。でもそれくらい、「男が思い描く女性像」が、いかにアレなのかということもわかって、もう、絶望感でいっぱいになったのも確かでした。

 なんて考えていると気持ちが荒んできますねお互いに。

 こういうときは、金星と火星の橋渡しをしてくださる、ジョン・グレイ博士の名著を読んで心を落ち着けよう……そうしよう(笑)


【余 録】
地球から火星までの距離:2億3000万km
地球から金星までの距離:1億5000万km


 
 
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