古代と未来
2016年10月02日 (日) | 編集 |
 インスタグラムで、これは素晴らしい、というものがありましたので、ご紹介を。
 スウェーデンだそうですが、放牧されていた牛たちが、そろそろ日暮れだというので駆り集められるんですが、その集め方が素敵。

 美しい景色の中、白いドレスの女性が歌うと、牛たちがさーっと集まってきて、彼女をじっと見ているんですね。
 幻想的ですらある動画です。




キャプションの拙訳。

「Jonna Jinton (@jonnajinton) が呼ぶと、牛たちは走ってくる——文字通り。
「あの子たちは、内側の深い場所で、古代からの音を覚えているのかもしれないって考えるのが好き」
 と、27歳のこのスウェーデンの女性は言う。
 彼女は21世紀における古代の歌唱法“kulning”の歌い手だ。“kulning”は、夕暮れ時、放牧していた牛たちを駆り集めるために歌われていたものだ。
「この歌の音が大好きだなあっていつも思うの。魔法みたいな何かがあるわ」
 Jonna は言いそえる。
「私の写真やアートを通して、人間が満ち足りて生活するためには自然がどれほど重要なものか、みんなが気付いてくれたらって思うわ。自然とのつながりを、もう一度呼び起こしたいのよ」

動画はJonna Jinton (@jonnajinton) さんより。」



 歌詞というものがあるわけではない、のかな。
 きれいな声だなあ、と、人間も思わずうっとりしますが、牛たちの集まり方になんとなく感動する。本当に走ってくるし、おとなしいですね。鳴き声も立てず、じっと彼女を見て「待っている」よう。
 マジカル——呪術的な何かというのも、牛たちが古代から続く記憶を持っているんじゃないかという考えも、いいなあ、と思います。

 古代から続く記憶——ということは。
 この歌は、例えば日本の牧場の牛さんには、ちょっと通じないんだろうか? それとも、牛さんにならともあれ「通じる」んだろうか。

 幾度となくこの動画を再生してしまいました。+゚。*(*´∀`*)*。゚+

 私の場合は、走り寄っていくよりも、目を閉じてうっとり聴き入ってしまうので——、「牛」度は低いのだろうか。
(「牛」度ってなに……)

         ●

 人工知能というもの、りんなちゃんも話題になったりしておりますが。
 なるほどこう言う使い方があるんだ、と感心したのは今朝の日経新聞の記事。
 
 東京大学医科学研究所、ヒトゲノム解析センター長、宮野悟教授のお話。

 血液がんの診断に人工知能(AI)技術を使い、治療に成功した、という記事。

 使用されたのはIBMのコンピューター「ワトソン」。
 2015年からIBMとの共同研究として使用を始めたそうで。
 先生のお話をご紹介しますと、

「がん組織のゲノムデータから、がんの原因となる遺伝子変異の候補を独自の解析ソフトを使い、スーパーコンピューターで見つけます。
その解析結果をワトソン(AI)に入力すると、関連した論文、臨床試験結果など、膨大なデータと照らし合わせて、最適な薬などを示してくれます」

「ゲノムデータを解析して、変異候補が数百カ所見つかることもあります。
 研究者が論文を数百本読んでも、変異の意味を解釈し、診断や治療に結びつけるのは困難です。しかし、ワトソンを使うと、研究者なら1年かかる作業が10分ほどで完了することが可能になりました。
 診断画像の分析にも有望です」

 ちょっと要約させてもらっていますが、そういうことだそうで。

 研究が進み、その論文数も膨大になる中、せっかくのデータも人間ではいかすのに限りがあるけれど、AIがある程度の情報の抽出をしてくれるので、患者さんへの対応がすばやく、効率よく(効果の高い薬を見つけやすいとかですね)できると。

 なるほどなあ……。
 
 将棋ソフトと人間の棋士(……なんかヘンな言い方…)との対戦が行われたとき、ゲストでいらしていた先生が、
「人とソフトが対戦するんじゃなく、人とコンピューターが『組んで』、そのチーム同士で競う、といった方がいいんじゃないか」
 とおっしゃったのを思い出します。
(確か、TRON の坂村 健先生ではなかったかと思いますが記憶があやしいので;;)

 聞いたときはちょっとピンときませんでしたが、なるほどなあ、こういう使い方なんだ、例えば。
 
 アメリカ国立衛生研究所とエネルギー省は協力して、こんな風なガン研究を進めているそうですが、日本は「目指すべき医療の未来像がはっきりせず」「解析に必要な要素技術はあっても、統合的な研究が評価されないという問題がある」という状況とのこと。
 そんなあたりもまた、進んでいって欲しいところですが。

 優れた道具はいいとしても、結局それをどう使うか、どう活かすかは人間の知恵と言うもの。
 すごいことはわかるけど、これどうすんの? というところが多かったAIの、もっともな活用のお話、興味深くうかがいました。
 
 
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