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ダイヤモンドの指輪

 この話、ここで書こうかと思いながら、でもあんまり積極的に書きたいことでもないので、——書こうかなあ、どうしようかなあ、でもなあ、…つってだらだら1ヶ月以上——もっとかな;;

 なんの話かというと、「熟年離婚」についての考察です。
 ………ね。イヤでしょう(笑)

 私の母の同級生である何某さんは、自分で事業を興した方で、まあ、ありていに言えば羽ぶりはよろしい。私どもから見れば、お金持ち、という部類になります。
 さりながら、「ある日突然」奥様から三行半(みくだりはん)を突きつけられ、結局はその離婚に至ったとのことで。

 自営でいらっしゃるので定年というものはありませんが、現在は、経営者の立場ではいらっしゃるけれども第一線からは退いている。
 第一線からは退いた後なら時間もできるので、「これからは二人であちこち出かけたり、二人でゆっくりしようと思っていた」矢先のことだったので、何某さんとしては、本当に、青天の霹靂(へきれき)だったそうな。

 同窓会で会ったときに、そんな話を聞いた母は、
「突然てことがあるか。これまでの何十年か、アンタいったい何をしてたんだ。その間に、絶対に、一度ならず、奥さんはサインを出していたはずだ」
 といい、周囲の女性陣も、そうだそうだと応じたそうな。

 ……私もそう思います;;

 受けた衝撃の大きさのあまり、何度も話題に引っ張り出しております、ジョン・グレイ博士のご著作にも、こう言った話題は何度も出てくる。



 男性と女性を火星人と金星人になぞらえ、文字通りの異星人、宇宙人同士、話が合わない価値観が違う行動パターンが異なるのは当たり前で、その違いを理解し双方、違いを埋める努力をしていけば、「愛」の減退も避けられるというようなことで。

 男性の特徴は、社会的な、あるいは物質的な成功を納めれば、女性の愛情をも得られるという考え方にあるようです。
 男性同士であれば、多分、そうなんでしょう。——何かの成功を収めることが、他の、あらゆる人間関係に必要な、「地位」や尊敬、愛情をも得られて安泰である、という。

 でも——これ、違うんですよね。女性は。

 奥様からの敬意や愛情を、仕事が成功すればするほど得られると思って一生懸命に働いて、実際に成功しているのに、そうなればなるほど奥様との関係は険悪になり、とうとう離婚寸前の状態。
 その状態でジョン・グレイ博士のカウンセリングをご夫婦で受けた「症例」が、幾つか、読めるわけですが。

 そりゃあまあ、仕事で成功するというのはご立派なことだし、それをもちろん応援してもいるわけですがでも——女性にとっての愛情は、そういうところには関係しない。

 なぜ、といったってしょーがない。火星と金星ですから。

 なぜというのならこちらこそ、なぜ、「成功すれば日常をどれだけいい加減に扱っても許される」という発想になるのかがわからん、ということですから。

 なぜ、ということは、お互いに言わないほうがいい。ただ、相手はそういう生き物だと思うしかない。

 その違いを熟知しているジョン・グレイ博士の「処方箋」は、「些細な気配り」。
 女性にとっては、「リッチな生活」より「些細な気配り」のほうが幸せになれるものだ、ということを知らせていくんですね。……詳細を知りたい方はご一読を。

 とにかく何某さんの最大の勘違いは、「今は仕事でいそがしいから何もできないけど、引退したら、その分まとめて奥さん孝行すればいい」と考えていたこと。

 日常の小さな積み重ねを無視しておいて、あとから「大きなプレゼント」をすりゃいいんだろう、とは、また、ずいぶん人を舐めた考えだと私は思いますが、でも、この発想をする人が少なくない、ということだそうで。

 でもさあ。人を見るとき、どこを見ます? やはりその人の日常——それこそ、人にちゃんとあいさつできるか、ごめんなさいとありがとうをきちんと言えるかどうか——そういうところから人となりや、付き合える相手かどうかを判断しますよね。
 そういうところを重視する、というのが、そんなに不思議なことなの?

 日頃は奥様をないがしろにしておいて、あとから豪華な世界一周の船旅でもすればいいんだろう、というのは、——少なくとも、私には理解できない発想。

 この説明を聞いてもなお、不満顔の方に申し上げるなら。
 結局、それは、目の前で溺れている人を「今いそがしいから」と言って見捨てていった、ということですよ、と。

 あなたは川で溺れている。その人はあなたを見つける。確かに目があったのでホッとして、必死で、助けてくれとあなたは手を振る。——でもその人は、今いそがしいから、と言ってそのまま行ってしまう。
 まずここで、あなたはどんな気持ちになりますか。

 幸い、親切な人が助けてくれ、救急車も呼んでくれたのでことなきを得た。
 確かに、助かった。——でも、あとからノコノコ顔を出して「大変だったんだね」などと大きな花束を抱えてきた人を。
 ………どういう思いで、あなたは、その人を見ますか。

 理解できないことでしょうか、この話は?
 
 グレイ博士の「処方箋」は、けれども、このSOSのサインを出す側にも、「相手には通じない」ことを認めて、うまいこと、わかりやすいようにサインを送るように、と指摘している。
 グレイ博士によれば、「助けて欲しい」のサインの出し方、これも、かーなーり、「間違っている」「それでは伝わらない」ということが多いようです。
 
 これはなかなか、通常の人には思いつかない「知恵」だなあ、と目から鱗を落としながら私も拝読した件りなんですが。

 目の前で、同じ「症例」を見るに至り——なおかつ、こちらにはグレイ博士という確かな助言者もいなくて、最悪の形になってしまった、というのを見まして。
 ——書こうかなあ、でもなあ、ヤな話になるしなあ、……と、ぐだぐだしてました。(^^;)

 やりきれないのは、双方の創意工夫があればここまでことには至らないのになあ、ということも、見えているからですね。
 結核で亡くなった正岡子規の作品を読むにつけ、「抗生物質があれば結核も治ったのに。そしたらきっと、もっと作品を残せたのに」と思う気持ちに似ている。……かもしれない。(^^;)

 火星と金星の違いは、泣こうが喚こうが怒ろうがどうしようがなくならない。
 違いは違いで、しょーがない。
 けれども、違いを認めて、相手にわかるように「工夫」していけば、最悪の結果を回避するのみならず、より親密な関係になっていけるというのも、確かなこと。

 ………バカなことを言ってら、と言われるでしょうが、でも、私としては、全世界の方々に、グレイ博士の本を読め、その理論を聞け、と言いたい気持ちでいっぱいです。

 とはいえ。
 人のことはあれこれ言えても、自分自身が実際にその通りに行動できるか、というと——なかなか。(^^;)

 それでも、何も知らずにいるよりは——世の中にはこういう「知恵」があるよ、とわかっているだけでも、違うだろうと思います。

 ただお願いしたいと思うのは、火星と金星の違いはしょーがないけれど、せめて、川で溺れている人間を、いまは忙しいから、後でね、といって見捨てていくような真似だけはしないでほしい、ということ。
 まして、あとから大きな花束を持っていけばそれで全て許される、と、そんなことを人間関係の前提にしないでほしい。

 ——大きなダイヤの指輪をしていた何某さん。昔から私も知ってはいるおじさんなんですが。
 母からは聞いていませんが、あのダイヤの指輪は健在なんだろうな、と、なぜかそんなことを真っ先に思ったお話でした。
 
 
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