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異常心理



 どうにも嫌な話だと思ってますが、そのイヤなことが複数のジャンル(?)に亘っているってところが特徴的だと思う今回。

 若手俳優さんがおそらくは強姦致傷罪で告訴されるだろうという事件を起こした、ということが「本体」ですが。
 その本体からいろんな問題が出てきているんですよね。

 その容疑者であるひとの、お母様が記者会見を行ったというのも、これはちょっとどうなのか、というのがまずひとつ。
 もう成人もしてまがりなりにも自分で仕事もしているひとの、親が出てくる、謝罪するというのは、筋が違う。そう思います。

 育て方に問題があろうがなかろうがそんなのはプライベートなことであって、社会に対して責任を負っているのは本人。社会人、というのはそういう意味でしょう。
 かれが請け負っていた仕事のことで関係があるというのならともかく、もう独立もしているいい大人のやったことで「親が悪い」と言われるというのは意味がわかりません。

 あと、こういうことが起こるとなぜか非難の矢面に立たされるのは母親ばかりで、なぜか、父親のことがスルーされるのは、もっと意味がわからない、と思っております。

 どんな育てられ方をしようと成人しちゃったらもうあきらめろ、というのが私の見解。いかに不肖の親を持とうとも、だからってそれが社会人としてでたらめをやっていいということは何一つない。
 自分のやったことの始末は自分でつけるのが成人の意味なんで——どのみち、親のことを持ち出すのは、世間様もおおいに間違っているというのがまずあります。
 さらにそのうえ、なんで母親ばかりがあれこれ言われて父親はこんなときは無視なんだよ、と。

 子供がなにか功績を建てたときはこれが逆になります。
 へんな心情ですよまったくのところ。



 その記者会見ではずいぶんな下卑た質問をした記者がいたそうですが、この記者の「前科」を指摘する声もありました。
 この記者は以前にも、無神経を通り越して犯罪レベルのことをテレビカメラの前で堂々と口走ったことがあるのだそうで、昨日おみかけしたツイートには「またお前か」「まだ記者なんかやってたのか」というのもございました。

 そうなんですか、というばかりで、私としてはなんの裏もとってはおりませんが——でもまあ、そういう人がいるからこそ、私もテレビ新聞週刊誌、揃って無視するようになっちゃったわけなので……驚きはありません。

 で、その質問を聞いていると、今回の事件についてはやはり通常の性欲なり性衝動なりの強さや、あるいは「傾向」だと見なしているんですね。

 でも、性犯罪は、通常の意味での性行動とは別物なんですよね。
 なぜかここのところは少しも理解されない。
 それだけ、性犯罪者の心理というのは異常であり、その異常を持たない者には想像もつかないほどだということの、証拠ともいえるかもしれませんが…。

 もちろんふつーの人にも妄想は妄想であるでしょうが、じっさいの、現実において、その犯罪を実行「できる」心理は、通常の性行動とはまるっきり違う行動原理によるもの。
 このへんのことは専門家の説明を聞いて欲しいところですが、——でもこのようすだと、その説明をきいても、なかなか理解されないかもしれませんね。

 欲動も衝動も、ふつーの人も持ってる。だからそういうものが「強い」人がああいう犯罪に走るんだろうと思うんでしょうけども。
 じっさいの性犯罪を完遂「できる」精神状態は、「ふつうの」人にはないようです。

 性犯罪を「楽しむ」心理は、やはり異常というよりほかはない。
 そんなことを楽しめる、というのは、ふつうの人にはありません。衝動に負ける瞬間があったとしても、正常な心理なら、どこかで自分を引き止める。

 性犯罪者は、引き止めるどころか、最初から、それを快楽として求めているし、その欲求はむしろエスカレートしていく。
 そういう状態にひとを駆り立てるのは、ただ性欲や性癖ということとは根本的に違う心理状態、行動原理がある。

 ということで、あれほど的外れな質問というのも、ない。

 なんでそんなことがわかるのかといわれそうですが、——私にもわかりゃしません。でも、いっとき、そういうことがもう疑問で疑問でしょーがなくて、本を読んでいたことがあるので。

 異常心理を追跡するというのは、なかなか怖いことですが——なにぶんにも私もけっこうな男嫌いですから、その構造は(可能な限り)知っておきたい気持ちがありまして。

 FBI心理分析官の、異常犯罪に関わるうちに捜査官の方が精神のバランスを崩す例が多いときいて、それはもっともだと思いましたね。

 読書好きの人間の特徴のひとつには、想像力があること、感情移入ができることがあると思いますが、私も——犯罪者の「証言」を聞いてその心理状態を「追跡」するうちには、胃の内容物を吐くくらいではすまないものもありました。

 性犯罪の心理の異常さは、説明したくらいでは理解されないのかもしれない。
 ……とはいえ、あの質問はひどすぎますが。

 性犯罪の行動原理のひとつに、「復讐」があります。(これ単体ということではない)
 そう申し上げれば、これはもう、通常の性欲その他とは別次元の話だということも、うっすらとでも、ご理解いただけるでしょうか。

 異常、という事件に関わることで現れている事象もまた、あらゆる異常性を発揮している——世間様の解釈の異常、親子関係への幻想の異常、マスコミの全方位的な異常といったものまで——、それらの、あんまりな有様に思わず顔を背けながら。

 救いのないことばかりで、胸が塞がります。
 
 
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