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2016.08.23 (Tue)

きものにゴスロリ

 リオデジャネイロ・オリンピックも閉幕、パラリンピックの開幕を待つばかりとなっております。
 閉会式では、五輪旗を次の開催地へ手渡すというセレモニーがありまして、小池百合子東京都知事が旗を受け取ったわけですが、そのときのご衣装がすてきでしたね。

 私は詳細聞いておりませんが、きもので——白っぽいベージュに、和刺繍の、あれは鶴の柄でしたか。
 訪問着なのか、色留袖になるのかはちょっとわかりませんでしたが——絵羽にはみえなかったので色留めかなあ、と思ったけどどうかな——、あと、帯がもう。全体が輝く金色。
 全金糸か、と思わず息を呑みましたねあたしゃ。

 た……高いですよこれは。と思わずそんなことをまず考えてしまう、ド庶民でございます。(^^;)
 
 で、旗を受け取り、それを大きく左右に振るにあたり、小池さんはちゃんとたもとの端を帯にちょっとだけ挟み込み、袖が邪魔にならないように、かつ、腕を上げても肘まで腕が丸見えなんていう「はしたない」(死語)ことにならないようにしていらしたのもちょっと印象的でした。

 基本、きもののときは腕は出しません。洋服と同じ感覚で、腕をがばっと上に上げて、肘どころか二の腕まで丸見え、という方もお見かけしますが——あれは本来は、見苦しいしぐさということになっております。
 明治大正の写真を見ると庶民でも、写真を撮るというかしこまったときには、袖口の中に手を隠してますもんね。
 たぶん、手をそのまま、むきだしで出しておくということは、はしたない——あるいは「みっともない」という文化だったのかもしれません。
 用もないのにむやみに手を出しておかない、という。

 男性も同じで。お能の地謡の方は出番ではないときは袴の、股(もも)立(だ)ちというのか、空いているところへ手を入れて控えていらっしゃいますね。

 ということで腕どころか手をすら外に「出しっぱなし」にしないというのが基本のしぐさのひとつらしいです。

 でもたぶん、そーゆーことを「わからない」人たちは、つまんねーことでケチ難癖をつけてくるんだろうな、きものが地味すぎとかさ(黄金の帯のどこが地味だよ)。
 と思っていたら本当にその通りだったので思わず失笑。

 そうやって、自分たちの民族衣装のことなのにまるで無関心な層もあるかと思えば。
 私もたびたび悪口をいってますが、「半襟は白」「足袋は白」「正絹以外はきものじゃない」「きものはしわひとつなく着るべき」(そーかそんならオマエやってみろ、と言いたくなる;;)という、頭は大丈夫ですかといいたくなるほど、ガッチガチの石頭ぶりを発揮する層もある。

 極端だなと思いますね。(^^;)

 半襟は白…というこだわりは理解できないこともないですが、それは「正装」としてのマナーの話。
 日常着であれば、そんなにかたっくるしいことをいうもんじゃない。
 正絹以外は認めないってねえ、昔は木綿か麻くらいしかきられなかった庶民の立場はどーしてくれる、と思いますね。

 鈴乃屋さんの会長、小泉清子さんはきもの研究家でもいらして、そこらへんの「お直しおばさん」など太刀打ちできる方ではありませんが、でも、こういうひとぼど、きものには自由な発想をお持ちでいらっしゃいますね。

 きものを上下二つにわけて仕立ててしまって、帯も軽装帯にして、上下バラバラに組み合わせても楽しいですよと大胆なことをおっしゃるし。

 じっさい、きものに詳しい、ベテランの先生ほど「かくあるべし」という思い込みから自由でいる。
 中途半端な人ほど、くだらないことにこだわり、「着る、装う」の楽しみを殺し、あまつさえ、それを他人に押し付けて迷惑をかけるもんなんだな、と思ってます。

 先日感心したのは、シンプルな、細いよろけ縞の夏きものに、なんと黒のビスチェを合わせたかたをお見かけして、思わず追いかけたくなりました(笑)

 ビスチェ(コルセット)といっても、デコルテまでくるようなものではなくて、本当にウエスト部分だけの——まさしく帯幅くらいのもの。

 フェイクレザーの黒で、かっちりしていて、それを帯として締めている。
 なるほどなー。と思いました。

 幅の狭いビスチェって? とお思いの方もあるかと思いますので、こちら、楽天市場さんで見つけた商品ですが、ご参考までに。
 色と材質は違いますが、これくらいの幅のものです、ってことで。これを、帯代わりに締めておいででした。

【参考】・コルセット(ビスチェ)
http://item.rakuten.co.jp/bodyline/p346/

 きものというのは、じつは、帯は締めなくても、すでに着上がっているものでして。(^^;)
 昔には「おびしろはだか」という言葉があって——帯を締めない、きものを着て伊達締めまでで着上がっているところへ、「上っ張り」などを羽織っているというくらいの、気楽なスタイルもあったんですね。
 もちろん外出用ではなくて自宅でくつろぐ姿ですが。

 そっかー、きものだからって帯にこだわらなくてもいいんだよねえ。と、しばし見とれておりました。
 ビスチェですからウエストラインもわずかながら現れるし、そのへんは現代風でいいのかもな、と。
 本当は追いかけて行って写真撮らせて欲しいくらいでした(笑) カッコイイ(笑)
 
 あれは、おみごとでした。

 ああいう遊び心で着こなす人が増えてきたら、きものももっと面白くなるし、イメージも変わって楽しいと思う。(^^)

 いまは、そんなわけで、ものを知らないゆえに見当違いの悪口をいう人と、中途半端すぎてへんに石頭になっている人ばかりが目立つけれど、もうちょっときもの自体にじっさいに親しんで、「楽しむ」人が増えてくれたらいいなと思いましたので。
 本日は、そんなあたりをメモ代わりに。
 
 
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