ガラスの天井
2016年08月01日 (月) | 編集 |
 昨日の東京都知事選挙と議会補選。
 都知事には、小池百合子さんがご当選とのことでひとまず、おめでとうございます。

 率直に言えば過去の顔ぶれよりはよほどよい人物になってくれたのではないかと、箱根の向こう側から拝見しております。

 女性初の…という枕詞をいちいち聞かされるのが私は好きではありませんが、しかし、世のミソジニストはまた発狂せんばかりになっている人もあるのだろうと思いますと、あんまりそのへん、ぐちぐち言わないほうがいいかな。(^^;)

 イギリスではやはり政治が行き詰まったところで女性の首相が誕生しまして、Newsweek のコラムでは、ちょっと面白いことが書かれていましたね。
 こういう「緊急事態」になると、ふだんは強固なガラスの天井がふっと消えてしまうのだ、という。

 あまりの状況の悪さに「びんぼうくじは引きたくない」といって、さーっと波が引くように人がいなくなった時には、ガラスの天井は「都合よく」消えてしまい、出るべき人材がやっと出てくるのだ。という指摘。
 そのコラムを書いていたのが女性ではなく男性だったというところが私には興味深い。日本のおのこにはまだ、こういうことをさらっと書ける人はいそうもない。

 しかしこれはじっさい、そのとおりですね。
 サッチャー首相が誕生したときもそうだったし、——日本ではとある政党がにっちもさっちもいかなくなったときに、扇千景さんが党首になったときも。
 記者から「貧乏くじを引いたと思うか」と質問された扇さんが、はっきりきっぱり「はい」と答えた姿は忘れられない。

 そしてここではイギリスのメイ首相、でもって、小池百合子東京都知事、となっております。

 昨日は「日本にはガラスの天井がないらしい」という、ちょっと困ったなあというツイートをお見かけしてしまいましたが。(^^;)

 なんのことはない、あまりにも状況が悪くなると、計算高く物見高くエエカッコシイの男どもは「賢く」身を引いてしまう。
 このままでは破綻を見るばかりという緊急事態になると、見るに見かねて女性がでてくる。ふだんであればあれこれでツブされるところ、このときばかりは野郎どもは寂(せき)として声もない——でも陰口はいう——という状態ですから、ガラスの天井も現れない。それだけのことですね。

 状況が厳しいときは他人に押し付けて逃げてしまって、で、状態が上向いてきて景気がよくなると、ご苦労だったおまえはもういい、どけ、といってしゃしゃりでてきて「おいしいとこ取り」をする。
 ま、社会ってそういうものよね。——と、そんな見方をしております。

 ガラスの天井というとどうしても女性の話になりがちですが、これはじっさいには女性だけのことではなく、あらゆるマイノリティに言えることではあるんでしょう。
 夏炉冬扇という言葉がありますが、大賢は大愚に似たり、ほんとうの傑物(けつぶつ)というのは、平時においてはむしろ周囲からは理解されず、冷や飯を食わされ、馬鹿にされるくらいの存在。
 さりながら、誰にもどうしようもないくらいの緊急事態になると、彼らは一気に目覚めて動きだす。

 平時にはトップは馬鹿でもいい、というか、平時には英雄はいらなくて馬鹿がトップにいるほうがいいようになっている——のかもしれませんね。(このへんあんまり言っているといろいろ角が立ちますよね;;)

 ともあれ、この小池さんのことだけをもって「日本にはガラスの天井はない」という認識は、カンベンしてほしいなというのが、個人的な「感想」です。(^^;)

 ただ、難しいことになると他人に押し付けて逃げてしまい、こちらが苦労してやっとどうにか立て直すと、おまえはもういい、あっち行ってろ、とやるような奴には、私は、これはもう老若男女の別を問わず、大軽蔑の対象といたします。

 ……お察しでしょうが、組織のトップがどうのという話ではないにしろ、私も、そういう煮え湯を飲まされたことがあるクチです(笑)
 
 とはいえ、世の中はそれで回っているということも承知してはおりますので、へんな怨念もございません。(^^;)
 
 ただ今回は、私としてはこれはと思える人もあったので、そのへん、よかったな、と思っております。 
  
  
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