金星と火星の違い
 スタンダールの恋愛論からはじまって、世の中にはいったいどれほどの、恋愛論、「異性」論の本があることでしょう。
 でもまあ、スタンダールだろうがモーパッサンだろうが柴門ふみさんだろうがなんだろうが、そういうもののたいていに、まともに耳を傾けたことはございません;;

 従来型の、男はかくあるべし女はかくあるべしという、「べき」論は論外というしかないし、といって、「恋愛論」とはいっていても、じっさいは「論」というより、ただ自分個人の体験を語っているだけなんですよね。

 ああいうものを読んでもちっとも参考にならない、という声はよく聞きますが、そりゃ当然でしょう。
 個人的な経験談を聞いてそれが即自分に応用できるなんてことが、あるほうが珍しい。
 なにかもーちょっとまともに喋ってくれるものはないのかというのが、かねてから思っていたこと。
 
 そういう私が、これには、へー、と本気で感心するものが出てきましたので、ちょこっとだけ。

 少し熱心な方ならご存知かもしれませんが——作家・心理学者のジョン・グレイ博士。
 私は勉強不足の身でまったく存じ上げませんで。
 漫画家・川原泉さんのエッセー漫画「小人たちが騒ぐので」に、ジョングレイというかわいい宇宙人が出てきて、金星から来たとかなんとかいっているのがありましたが——あれは、グレイ博士と関係があったのか! と、いまごろ知ったという次第。(^^;)



 これまでどんな恋愛論だろうが恋愛心理学だろうが個人的な経験お考えその他諸々、なにを聞いてもピンとくるものがなかったのが、雑誌にちょっとだけ掲載された記事を読んで、いやもう、目から鱗が落ちまして。

 これもいわゆる「中年の危機(ミッドライフ・クライシス)」なんでしょうが、せっかく落ち着いていた私の身辺もちょっと雲行きが怪しいケースが出ておりまして。
 仕事についてもそうですが、家庭を持っている友人の中に、おいおい大丈夫かというのがですね——ちょっとね;;

 詳しく話を聞けばべつに、愛情がなくなったわけではないけれども、どうにも無理が重なっていてちょっと危険な水準にまで不満なりなんなりが高まってるなというお話が。

 ほかのことはともかく、こういう話は私にはなにも言えることはないし——独り身でぼーっとしている私からすれば、せっかくここまで積み重ねてきた「関係」を壊すのももったいないことではないか、と思うし(思っていても容易には言いませんが;; 無責任発言だもんね;;)。
 夫婦関係を永続させるというのは、ほぼ困難な、あるいは不可能にも近いくらいのことなんだろうか、と、少々気が重くなっていたりして。(^^;)

 そういうところへ、ジョン・グレイ博士のお話は天啓とも思えたということで。

 博士はパートナーシップをご専門にしておいでのようで、すでに著作の邦訳ももう何冊も出ていたんですね;; いや本当に、なにも存じませんで;;

 今回聞いたお話は、いわゆる出会いからどうするかではなくて、パートナーという関係を(いちおうは)構築したものの、そのあとが難しいよねというところをターゲットにしているお話。

 とりあえず怒らないで気を静めてお聞き願いたいのですが、——博士が仰るところの「男女双方、いちばんの間違いは油断すること」だそうです。
 出会いから始まってお付き合いにまでくると、関係が安定したように「みえる」。すると男性は相手が「自分のものになった」と思ってそれまでの愛情表現をやめてしまう。相手からなにかを言ってこないかぎり、相手は満足しているはずだ、と思い込んでしまう。

 女性の方はこれまた、おつきあい前より親密になっているわけですから、関係後は以前よりも注意を払ってくれるはずと思い込む。いわなくても自分の希望を察してくれるはず、と期待してしまう。

 ………それがそのあとどうなるかは、これはもう、世間一般論としてじゅーぶん知られているはずですね。

 なるほど見事な行き違い。
 

「ほとんどの男性は、女性にとって愛情を表現され続けることがどれだけ重要なことかを分かっていません。彼女が自分に惹かれていたのは、自分が彼女に愛を表現し続けていたからだという事実に、まったく気づいていないのです」



 ………もうこれ引用しただけで、殿方の怨嗟の声と怒号が聞こえるようです;;
(やだなあもう;;)

「多くの女性は『自分からあれこれ望んではいけない』と教えられてきました。……少しずつ世の中は変わりつつありますが、まだ欲しいものをはっきり口にする女性を快く思わない人もいるのが現状です。
 特に、女性同士はそういうことに敏感な気がします。
 だから、女性は自分から男性に何かを求めることに遠慮して、そのぶん、相手に期待してしまうのですね」
(傍線:引用者)



 傍線のところも興味深いんですが、それはまあまた、別の機会に。機会があれば。

 私はあんまり、「黙っていても通じる」というのは信用しません。ある程度までのことや、日常的なことなら、それでもいい場合もありますが、どうしたって他者同士、どこかで、——最低でもブリーフィングくらいのことは、確認事項としてでも必要。
 そうでないと、最初のズレはほんの1mmでも、そのまままっすぐ線を引いたら、引いた先ではとんでもない距離で離れている、ということはありますからね。

 世間によくある「行き違い」「すれ違い」「性格の(埋めがたい)不一致」って、そういうことでしょう。

 黙ったまま、勝手に期待して、勝手に怒りを溜めて、勝手に爆発する、というのは、よろしくない。
(なんていうと、これはこれでまた叱られるんだ;;)

 グレイ博士の、女性へのアドバイスはこう。

「女性に知ってもらいたいのは、自分の望みをすなおに表現して助けを求めた方が魅力的で、男性はその女性を追いかけたくなるということです。自分でやりたい気持ちを抑えて、もっと彼に動いてもらうのです。そしてじっさいに彼が与えてくれたときは、最大限の愛情と感謝を示すことが大切です。すると男性は自分が彼女を幸せにしたのだと嬉しくなります」
(傍線:引用者)



 殿方にとってそれが本当に魅力となるかどうかは私には判断のつかないことですが、ただ、「最大限の愛情と感謝を」というのは、大事だろうな、と。

 私などは昨今のイクメンと呼ばれるような方々のお話を聞いていて、なんかもう、お気の毒になってしまうのはこの点で——、もう少し、感謝をされてもいいはずですよね、という。
 もちろんここにも行き違いがあるわけで、なかなかそうもできないとおっしゃる女性の言い分も、理解はしております。

 ……なんだかなあもう。(^^;)
 なんであたしこんなに全方位に神経配ってピリピリしながら書いてんですかね(笑)
 ツイッターのほうで、好きでフォローさせてもらっているかたが、ご自分の発言について「一般的な女性からも、フェミニストからも、双方から怒られたり嫌われたりする」と書いていることがあるんですが。
 そうなんですよね……よかれと思って話しても、結局、関係者全員から不快がられて嫌われるんですよね。こういう話(笑)

 それぞれの立場に、それぞれの言い分がある。
 それとまったく同じように、それぞれに、あらためたほうがいいこともある。——それだけのことですが、自分の行いをあらためろといわれると、もう、いっせいに、全員が「こちら」に向かって怒り出す(笑)

 そのお気持ちもわかるので、ですよねえ、といって、こちらとしても笑うしかないんですが。

 さて、私の友人はどうでしょうかねえ……。あんまり私からは細かいことはいわないで、博士のご本だけ紹介してみようかと思ってるんですが。(結局、及び腰…・笑)

 ちなみに。
 今回はそんなわけで、パートナーシップ構築と継続のお話でしたが、もちろん、まずは出会いから、という段階についてのお話もありますので、興味がおありでしたら、話のネタとでも思って当たってみるのもよろしいかと思います。

 私個人といたしましては、自分の望みを表現して「助け」を求めなさいよというのは、——それはもう泣きどころってやつです;; 図星より痛いレベルです;;
 これはじつは人間関係全般にいえることでもあるので、まあ——恋愛はもう関係ないしとお思いの方にも、もし人間関係で気にしていることがあれば、一読なされば、なにかしら、参考になることもあるかと思います。

 長文になってしまいました。
 おつきあい、ありがとうございました。m(_ _)m
 
 
関連記事

tag : 人間

プロフィール

みずはら

ブログ内検索
最新記事
リンク
地球の名言

presented by 地球の名言

カテゴリー
RSSフィード
月別アーカイブ