Entries

常家にあらず



 栗田先生は内科がご専門でいらっしゃるからでしょうか、桐山秀樹さんの取材を受けたことがおありとのこと。

 私も昨日は、人をそそのかし低体重の危険に陥れる「広告」に、久々、ブチ切れてましたが、ダイエットというのもなあ……。
 体重が低いほどいい、というのも、なんとなく「信仰」めいたものがあるように感じます。

 生命保険会社の調査によれば、じっさいは、標準体重よりも「ちょっと」ふっくらぎみ、くらいの人がいちばん健康で長生きだそうですね。ちょっと、ってどのくらいかは存じませんが、あのふざけた数字が並ぶ「美容体重」よりも上の数値になる「標準体重」、さらにそこからちょい上、というのですから、低体重信仰の信者さんが聞けば容赦なくデブ呼ばわりするあたりでしょうね。

 これ、総務省や厚労省の調査じゃなくて、「生命保険会社」の調査、ってところに、もんのすごい説得力を感じます。(^^;)

 なんにしても。

 各種健康法というのは、もちろんそれぞれが悪いものであるとは思えません。
 糖質制限にしても、現代人は、体を動かさないのに糖質多めの食生活になりがちで、胆嚢、腎臓、副腎にも負担をかけているのは事実なんですから、場合によっては必要な、適切な処置であるはずです。

 でも、——これは栗田先生のおっしゃるように「極端はよくないよ」ってことかもなあ、というのが、私のいちばんに思ったことでした。

 科学的にはおそらくは、今回の死因と、糖質制限ダイエットとの因果関係は証明は「できない」はずです。
 であるにもかかわらず、たぶんこういった「健康法」とか、「代替医療」とか、「民間療法」が「嫌い」で、もとから悪口三昧、そうではなくても日頃から言葉の端々に批判をにじませる方々の、「それみたことか」という——くだけた表現でいうなら「ざまあ」というツイートを、見るのは不愉快ですよ。はっきりいって。

 医者だろうがなんだろうが、自分の「好み」に合わない人を憎んで、その人がお亡くなりになると、そらやっぱり、つって喜ぶのって、「人間らしい」姿ではあるのでしょうけれども。
 人の不幸を喜ぶような人たちに、健康法についての批判なんてもっともらしい顔で言われたくないな。

 いずれにしても。

 栄養とは、体に必要なもの。
 それを体が求める以上は、不必要ということも「のみ」ってこともない。
 どんなことでも、どんなものでも、「偏り」はよくないんでしょうね。

 これは必要ないと決めつけたり、あるいは「これさえあれば大丈夫」と「すがった」り。
 それらは、正反対のようでいて、精神的には同じことかもしれません。
 極端に走らず、中庸に。丸く。丸く。

 逆に、じゃあ今回のことなら糖質制限ダイエットしなければ健康で長生きだったかというと、それはそれで疑問でしょう。
 食生活を見直すことで、血糖値を下げる薬をやめられるなら、それはそのほうが体にはいいこと。(薬って本質は毒ですからね)

 で、改善されたなら、極端な制限はもう、必要ではなくなっているはず。

 適宜——ってことが、あるんじゃないかな。

 でも、なにかひとつ「成功」すると、人はその成功体験にすがってしまう、という、そんな心理が、食生活や生活態度においても、働いてしまうのかなと。
 そんなふうに思います。

 ひとの天寿は、人間「ごとき」には計れないこと。
 糖質制限したから短命か? しなければ長寿か?
 そんなこと、誰が断言できるんでしょう?


 だいぶ以前の話ですが、誰かが(←思い出せない;;)私に申しました。

「平均寿命というのはあくまでも平均であって、たとえば全員が80歳まで生きられる、そんな話じゃない」
「平均寿命が80歳ってことは——現実は数学じゃないんだから——、半数は、そこまでは届かない、くらいのものじゃないの」

 平均寿命が80歳だからって、自分も当たり前にそこまで生きるものだと思い込んでいる——そんな風潮にたいしての、批判の言葉でした。

 ごもっとも。と思います。

 聞くところによれば、平均寿命はたしかにのびているけれども、「死亡率」はむかーしとそれほど変化はないんだそうですね。
 つまり、50歳までは、年齢と死亡率は比例しているけれど、50をすぎると死亡率に違いはなくなる、と。

 50歳までは、加齢するほど死亡率が上がっていくけれど、50歳をすぎると、年下のひとが長生きして、年上のほうが先に物故あそばすってことはなくなる。
 きれいに右肩あがりだったカーブが、急にそのへんから、たいらになっていくんですね。

 統計上で乱暴に言うなら、もう50歳以上は、55歳で亡くなるのも85歳で亡くなるのも同じってこと。

 ひとさまのご不幸に乗じて、自分の好き嫌いでものを言って他人を殴れるひとをこそ、私としては脳みその出来を疑うなあ、と。

 今日はちょっとばかり辛辣なものいいになっておりますが、ご容赦くださいませ。


--------------------------------

思へばこの世は常の住み家にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ、榮花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり
人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ

(『敦盛』・幸若舞)


  
▶︎「敦盛」全文
http://yoshiok26.p1.bindsite.jp/bunken/cn14/pg425.html
隆慶一郎わーるど 様

 
関連記事

ご案内

プロフィール

みずはら

ブログ内検索

最新記事

地球の名言

presented by 地球の名言

右サイドメニュー

月別アーカイブ