こわれたもの(改訂)

 母親の交際相手の男性が3歳の子供を殺したというニュースがありまして。
 そんなニュースを聞くと、「他人の子を殺すのは本能」みたいなご意見はよく出てくる。
 でもそれは、勝手なイメージに過ぎず、実態とは異なるようです。

厚生労働省 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について
(第10次報告)平成26年9月(PDF)


統計データ | 子ども虐待について——オレンジリボン運動
http://www.orangeribbon.jp/about/child/data.php

 虐待死亡例の主な加害者としては、「母親の交際相手」などはむしろレアケースということがわかります。(母数がどうたらって問題じゃない)
 実の親の交際相手、再婚相手はおおむね、その子どもを(自分の子ではないゆえに)虐待するものだ、というイメージは、実態にはそぐわない。

 そういう勝手なイメージであるにもかかわらず、それがさも「常識」であるかのように語られ、それが世の中に拡散され、さらに「常識」として強化されていく。
 これは、よろしくございません。
 なぜというに、それは偏見というものを助長する役割しか果たさないからです。

 こういう話のときとか、あるいは浮気を正当化したいときに、ことに「本能」というものが引き合いに出されるようですが。
 いまの人類——とくに近代国家に住んでいる人類に、ある意味「まともな」本能なんかもうほとんどないだろうと思ってますので、「都合のいいときだけ本能を持ち出すな」というのが、私の正直な感想。(^^;)

 周囲をものすごい速度で鉄の塊が走り回っているのに、イヤフォンをして音楽聞いて(つまり自分の知覚を遮断して)平気で歩いている人類にはもう、生物としての本能なんかないだろ。と思ってます。
「自然」というものから切り離されてしまった生物に、それ以前の環境にいたときと同じ本能とやらが機能する余地は、ほぼありますまい。
 それなのに、こんなときだけとーとつに本能のせいにするのかよ、と思うと、なんとなく気分が悪い。

 もう本能なんか壊れている人類は、相手が誰だろうと血縁があろうとなかろうと、殺す奴は殺す。それだけのことだろうと思いますね。

 なんにしても。
 これ、以前にもちょこっと申しましたが。
 こんな事件を防ぐにはどうしたらいいかって——、私はもう「子供を捨てる権利を認める」しかないんだろうと思ってます。

 俗に毒親といわれるような親、ああいう「親」なんてもんは、子供はどんどん捨てていっていい、むしろ積極的にあんな毒親は捨てるべきだ、ということが、ようやく最近、ひとつの声になってきたように思いますが。
 その毒親にも、子供を捨てていいんだと言ってやれ。
 そう思います。

 こういうことをいうと、古典的な家族の価値とやらを持ち出して「怒る」人たちがいますが。
 麗しい家族愛。けっこうですね。私もそれはすばらしいと思うし、大事にしたいとは思いますよ。

 でも、現実は理想とは違う。
 現実には、いないほうがマシな家族によって命さえ奪われる人がいるわけですよ。
 この現実の前に、そんな「あるべき」論なんかに、なんの意味があるのか。

 うっかり人の親となってしまったが、こんなのやめたい、という人がいるなら、認めてやれ。と思います。
 親はなくても子は育つ。殺されるよりよほどいい。
 状況はそれほど切迫しているということでしょう。本能がぶっ壊れた人間の状況は。

 ただ、そういいながら私が少し不気味に思うのは、こういう、こどもを虐待して殺す人のなかには、意外とこどもに執着する人がいる、ということ。
 そうも「邪魔な」子どもなら、たとえば施設側が預かるとなればせいせいするでしょうに、わざわざ、「改心しました」というふりをしてまで子供を引き取ってくる人、けっこういますよね。

 児相がわが、そうなのかと思って子供を渡すと、数日内に殺されてしまう。
 そういうケースがかなりあるのが、私には、逆に、不気味に思えます。
 あれはどういう心理なんでしょうね——殺すために子供を引き取りたいのか? なぜそうまでして殺したいんだろう?

 日本は家族神話が強すぎるし、法律においては親権が強すぎる。
 子は親を、親は子を捨てていい——そういうことをもっと打ち出すべきじゃないんだろうか。
 
 こういった虐待による殺人を防ぐにはどうしたらいいのか、と考えているとどうしても、そんな結論に辿り着いてしまいます。

 実現不可能な理想論にしがみつき、人を殺す——それが現在の「世間の常識」のありようじゃないかと疑ってます。
 彼らにとっては人命よりも、その理想論、従来の価値観のほうが大事だってことですよね。
 ほんとうの殺人者は、勝手な理想論を他人に押し付け、かつ自分は何もしようとしない「世間様」じゃないのか?

 私だってこんなアホなことはいいたかありませんけど、——子供を捨てる権利を認めてやれなんて——でも、私は、理想論より、子供一人、助けるほうが大事だと考えます。
 それが必要なことなら。
 殺す前に、子どもを捨てていってほしい。

 ………そんなことまで言わなければならない。
 それがいまの現実ではある。
 そう思います。
 
 
(当初、引用していたツイートが削除されたので、一部を書き直しました)
(主題・内容に変更はありません)
 
 
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