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ファッションに見る幻想



 化粧もそうなんですが、ファッション、服装、「人間のエクステリア(外装)」の意味というのは、考えているといろんな意味があって面白い。

 女性のファッションについて、男ウケするだのしないだの、男はそういうの好きだの嫌いだの、と言われた経験のない女性はまずいないだろうというくらい日常的な光景になってますが、こういう言い草のなにがうっとうしいかって、
「ファッションは本人のためのもの」
 という視点が完全に欠落していて、「すべての女性は男のために装うもの」という、信じがたいほど強固な概念になっているところですね。

 ウルセエなあもう、というくらいにしか私は思わず、いわばガン無視で生きてまいりましたが、では、そういう男性自身にとってのファッションとはなんなのか、というのを指摘したのが上記ツイートだったので、へーえ。と。
 そのツイートを辿って拝読したこちら。

「洗礼ダイアリー」
 第4回
 セックスすれば詩が書けるのか問題
 2015/10/14 文月悠光

http://www.webasta.jp/serial/senreidiary/post-66.php

 興味深かったのは本文よりも(すみません;;)、途中に引用されている指摘でした。

「精神分析的には、男性は身体を持っていないんですよ。言い換えると、男性の身体は透明で、日常的に身体性をほとんど意識していないんです。」

 ——「臨床現場から見た母と娘」
『母と娘はなぜこじれるのか』(NHK出版)



 身体性っていきなりぽんと言われても意味がわからないでしょうが、そこは本文を読むとわかりますので。
 ……本来この話もこれだけで本1冊になっちゃいますね。(^^;)

 その「透明な身体」を持つ人はどうやって自分の身体性を獲得するかというと、その手段のひとつが「モテ」ということになるようです。



 む、難しい;; 私には要約できないくらい難しい;;
 
 ただ、世にあるいわゆるファッション誌というのは、かなり「モテる」ことを気にしてますよね。
 ファッション誌がそういうからモテを人々が意識するのか、モテをキーワードにすると雑誌が売れるから登場するのか、私にはわかりかねますが。

 それでも世の中におけるファッション、エクステリアというのは、異性ばかりの話ではなく、職業もあるし、地域性もあるし、文化の表れでもあるし、他人とコミュニケーションとるためのツールだったりもするし、純粋に自分のため、楽しみ、自己表現ということもあるし、いろんな意味がありますからねえ。

 いくつもある意味の中で、ただ「モテ」だけを、たったひとつの基準にするのは、男女を問わず、ツマラナイことじゃないのかなとは、思います。

 しかし、男女ともに、異性を意識したはずのモテとやらファッション、案外じっさいにはモテるわけじゃなかったりするんですよね。
 ここに相互の無理解と幻想の厚ーい壁が立ちはだかってんだなーと実感しちゃいますわ。(^^;)

 文月悠光さんのおっしゃることも面白く、この超絶セクハラ発言、向こう脛を声も出ないってくらいに蹴飛ばしてやれと思うほどのご発言は——セックスしないと詩は書けないんですってさ!——、ラサール石井さんも同様のことを公然と言ってしまい、大ひんしゅくをかってたことがありましたね。

 その考え方のなにが嫌われるかは、文月さんのご指摘のとおり。
「男によって変貌する女」というのは「男のロマン」なんでしょうが、それは妄想でしかない。
 妄想は妄想でいいんですが、それを現実に持ち込むから嫌がられる。

 渡辺淳一さんの小説が、現実の女性から非難轟々、というより唾棄する勢いで嫌われたのも、この手の幻想が主題だったからですね。とはいえ、まあ、あれは小説だから。(^^;)

 ちょっと気の毒だと思うのは、そういう男性の妄想は、いままでは社会の中で実像として認められてきたということ。でも、それはじっさいには「虚像」だということ、その様相は、女性が「現実」を訴えることで崩壊しつつある。

 いままではよかったのに、今日からは急にダメになりました——というのが、ある種の人々の受け止めるところでしょう。
 そこはちょっと気の毒。なんで? としか思わないだろうなあ。なにしろ昨日まで「正義」だったものが、急に「悪」と断罪される(ように彼らには思える)わけですから。
 ついてこれないでしょうね。

 妄想を持っているのは女性も同じなのですが、こちらはいままではひたすら抑圧されるだけで、現実のげの字も口にしてはならぬ、というのがいままでの社会のありようでした。
 
 それらの意識を変えようとしても、変えられない人々がいるのは、致し方のないことでしょうね。
 まあ、少しずつでも、現実にたちかえっていただけるように、ときには向こう脛を蹴飛ばしながらでも、やっていくしかないんでしょう。

 私の見るところ、男性の強固な幻想もひどいもんですが、女性もかなりのものがありますよ;;
 こちらは抑圧され、「隠されて」きたので、かえって見つけにくいように思います。
 気がついたときにはその妄想の根強さには愕然とするほどで、——これはこれで、厄介だな、と。

 食べる、ということも不思議な行為ですが、装う、ということも、一筋縄ではいかない、玄妙なものですね。

 ただ、ファッションは、それが自分や他人を害するものではないかぎり、ご本人が楽しいのなら、可能な限り、許しあっていきたいものと思います。

 個人的にはあれこれおしゃれを楽しめる人っていいなーと思いますけどねえ。
 いろんなアイデアがあってこそ楽しめるものなんで、そういう頭の柔軟性はうらやましいな、と思ってます。
 
 
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