夏きもののオススメ
2017年07月16日 (日) | 編集 |
 明日はこちらおやすみいたします。m(_ _)m
 昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲を演奏して人気を博した、三浦文彰さんと東京フィルハーモニー交響楽団によるコンサートに行ってくるですよ…!

 三浦さんご使用のバイオリンが今年初め頃でしたか、変わりまして。
 楽器がストラディヴァリウス(1704年製作“Viotti”)になってからは、私は初めてのコンサートになります。
 
 クラシックに詳しい方によると、もちろんストラディバリウスは素晴らしいけれども、その分クセが強いというのか、弾きこなすようになるにはちょっと時間がかかることが多いとか。
 さりながら、三浦文彰さんだしなあ、むしろ音は飛躍的に進歩しているのではないだろうか……などと勝手なことを考えつつ。

 今回マチネーになりますので、熱中症に気をつけながら、また母と行ってまいります。

スーパーソロイスツ《第1回 三浦文彰》
2017/7/17(月・祝)14:00開演  オーチャードホール
 主役はソリスト!前半はコンチェルト!後半もコンチェルト!
 ぜったい聴きたいスーパーソリストによる圧巻の協奏曲シリーズ


       ●

 四季の中では夏が好きで、着物を着るにも夏がいい、と思っております。

 着物も夏物となりますと素材そのものが軽いので身軽だし、着やすい。
 冬物で、袷(あわせ)(総裏付き)の長襦袢はあったかいけど重さも出てしまい、紐でしっかり結ばないとズルズル落ちてきてしまう。

 でも、夏の着物は、ひも自体が夏用の薄いものがありまして、もー気軽気軽。

 夏に着物なんていうと「えー、暑くない?」と、なんだかひどい表情で聞かれますが(嫌悪、恐怖が入り混じった顔をされる・笑)、そりゃ暑いけど、日本の夏なんか素っ裸でいたって暑いじゃないですか。
 いつぞやの酷暑の夏コミ、途中で熱中症気味になって足がつったの、和装の私じゃなくて、夏物の洋服だった友人の方でしたよ。

 というのは、日本の夏は、気温もさることながらあの湿気のせいでしょうね、ツライのは。
 昔、若気の至りで背中がまるまる開いたホルターネックを着て夏コミへ行ったことがありますが、背中が開いてんだから涼しいだろうという予想は大きく裏切られました。

 汗をかいて、この汗を吸い取ってくれるものがない、というのが、どれほど不快で暑いものか、身を以て体験いたしました;;

 しかし人前でタオルで拭き取るのもなかなかできず、なるほど、脱いでりゃ涼しいってもんじゃないんだなと悟りまして。
 
 実際、夏の着物のときはじつはしっかり(くるぶし丈の)ストッキングを履きます。これも「汗取り」です。
 そういう布類で汗を取るようにした方が涼しい。……涼しいというほど涼しかないけど、不快感もなく、汗をとってもらえるぶんだけ、体温調節もスムーズにいってる感じがします。

 浴衣を着る人も多いと思いますがそういうわけで、もし2時間を超えるようなお出かけの予定でしたら、夏物の長襦袢を入れることをお勧めします。
 浴衣の下に、長襦袢を着るわけです。
 えー、浴衣なのに!? とも言われますが、浴衣はよーするに「夏の単衣(ひとえ)」ですから、こういう着方もあります。大丈夫ですよ。

 特に最近だと、化繊の浴衣だと絽(ろ)になっているものも多いんじゃないかな。とすればなおさらバッチリです。
(絽は、生地の一部に透ける織りが入っており、横向きの横絽、縦向きの縦絽などがあります)
(絽の方がフォーマル向きとされ、全体に透け感のある紗は、カジュアルな素材とされる……らしい)

 夏の長襦袢は、東レさんや帝人さんなどの、特殊繊維性の生地があります。個人的にはお勧めです。どうかしたら浴衣より高いかもしれませんが、まあ毎日着るもんじゃないし、1枚持っていれば何年も使えますし。

 浴衣だとどーしても着崩れがしてくる。あのぐずぐずになった着物の不快感はちょっと説明しがたいほどでしょう。でも、長襦袢を着ると、コルセットのような機能も果たしてくれて着崩れありません。汗も取ってくれる吸湿速乾性のものならなおさら快適。

 長襦袢を着るなんていうと暑そう、と顔をしかめられることが多いんですが、暑いことはどっちも同じ!(笑)
 であれば、汗をちゃんと取った方が快適ですし、体温調節もスムーズってことは、かえって熱中症対策になりますよ、ということですね。

 今年も、夏祭りや花火大会が近づいてまいりました。とりどりに咲く花のように浴衣姿のかたが増えてくれたのは着物好きとしては嬉しいかぎり。

 見た目だけではなく本人にも快適にお過ごしくださいますように。

 マジで! 特に日本では汗取りが大事なので!
 繰り返しますが裸でいたって暑い、というより、裸の方が暑い! このへん、しつこく念を押しまして、本日はこのへんで。m(_ _)m

 ………梅雨明け、まだかな〜……。 
 
 
きものにゴスロリ
2016年08月23日 (火) | 編集 |
 リオデジャネイロ・オリンピックも閉幕、パラリンピックの開幕を待つばかりとなっております。
 閉会式では、五輪旗を次の開催地へ手渡すというセレモニーがありまして、小池百合子東京都知事が旗を受け取ったわけですが、そのときのご衣装がすてきでしたね。

 私は詳細聞いておりませんが、きもので——白っぽいベージュに、和刺繍の、あれは鶴の柄でしたか。
 訪問着なのか、色留袖になるのかはちょっとわかりませんでしたが——絵羽にはみえなかったので色留めかなあ、と思ったけどどうかな——、あと、帯がもう。全体が輝く金色。
 全金糸か、と思わず息を呑みましたねあたしゃ。

 た……高いですよこれは。と思わずそんなことをまず考えてしまう、ド庶民でございます。(^^;)
 
 で、旗を受け取り、それを大きく左右に振るにあたり、小池さんはちゃんとたもとの端を帯にちょっとだけ挟み込み、袖が邪魔にならないように、かつ、腕を上げても肘まで腕が丸見えなんていう「はしたない」(死語)ことにならないようにしていらしたのもちょっと印象的でした。

 基本、きもののときは腕は出しません。洋服と同じ感覚で、腕をがばっと上に上げて、肘どころか二の腕まで丸見え、という方もお見かけしますが——あれは本来は、見苦しいしぐさということになっております。
 明治大正の写真を見ると庶民でも、写真を撮るというかしこまったときには、袖口の中に手を隠してますもんね。
 たぶん、手をそのまま、むきだしで出しておくということは、はしたない——あるいは「みっともない」という文化だったのかもしれません。
 用もないのにむやみに手を出しておかない、という。

 男性も同じで。お能の地謡の方は出番ではないときは袴の、股(もも)立(だ)ちというのか、空いているところへ手を入れて控えていらっしゃいますね。

 ということで腕どころか手をすら外に「出しっぱなし」にしないというのが基本のしぐさのひとつらしいです。

 でもたぶん、そーゆーことを「わからない」人たちは、つまんねーことでケチ難癖をつけてくるんだろうな、きものが地味すぎとかさ(黄金の帯のどこが地味だよ)。
 と思っていたら本当にその通りだったので思わず失笑。

 そうやって、自分たちの民族衣装のことなのにまるで無関心な層もあるかと思えば。
 私もたびたび悪口をいってますが、「半襟は白」「足袋は白」「正絹以外はきものじゃない」「きものはしわひとつなく着るべき」(そーかそんならオマエやってみろ、と言いたくなる;;)という、頭は大丈夫ですかといいたくなるほど、ガッチガチの石頭ぶりを発揮する層もある。

 極端だなと思いますね。(^^;)

 半襟は白…というこだわりは理解できないこともないですが、それは「正装」としてのマナーの話。
 日常着であれば、そんなにかたっくるしいことをいうもんじゃない。
 正絹以外は認めないってねえ、昔は木綿か麻くらいしかきられなかった庶民の立場はどーしてくれる、と思いますね。

 鈴乃屋さんの会長、小泉清子さんはきもの研究家でもいらして、そこらへんの「お直しおばさん」など太刀打ちできる方ではありませんが、でも、こういうひとぼど、きものには自由な発想をお持ちでいらっしゃいますね。

 きものを上下二つにわけて仕立ててしまって、帯も軽装帯にして、上下バラバラに組み合わせても楽しいですよと大胆なことをおっしゃるし。

 じっさい、きものに詳しい、ベテランの先生ほど「かくあるべし」という思い込みから自由でいる。
 中途半端な人ほど、くだらないことにこだわり、「着る、装う」の楽しみを殺し、あまつさえ、それを他人に押し付けて迷惑をかけるもんなんだな、と思ってます。

 先日感心したのは、シンプルな、細いよろけ縞の夏きものに、なんと黒のビスチェを合わせたかたをお見かけして、思わず追いかけたくなりました(笑)

 ビスチェ(コルセット)といっても、デコルテまでくるようなものではなくて、本当にウエスト部分だけの——まさしく帯幅くらいのもの。

 フェイクレザーの黒で、かっちりしていて、それを帯として締めている。
 なるほどなー。と思いました。

 幅の狭いビスチェって? とお思いの方もあるかと思いますので、こちら、楽天市場さんで見つけた商品ですが、ご参考までに。
 色と材質は違いますが、これくらいの幅のものです、ってことで。これを、帯代わりに締めておいででした。

【参考】・コルセット(ビスチェ)
http://item.rakuten.co.jp/bodyline/p346/

 きものというのは、じつは、帯は締めなくても、すでに着上がっているものでして。(^^;)
 昔には「おびしろはだか」という言葉があって——帯を締めない、きものを着て伊達締めまでで着上がっているところへ、「上っ張り」などを羽織っているというくらいの、気楽なスタイルもあったんですね。
 もちろん外出用ではなくて自宅でくつろぐ姿ですが。

 そっかー、きものだからって帯にこだわらなくてもいいんだよねえ。と、しばし見とれておりました。
 ビスチェですからウエストラインもわずかながら現れるし、そのへんは現代風でいいのかもな、と。
 本当は追いかけて行って写真撮らせて欲しいくらいでした(笑) カッコイイ(笑)
 
 あれは、おみごとでした。

 ああいう遊び心で着こなす人が増えてきたら、きものももっと面白くなるし、イメージも変わって楽しいと思う。(^^)

 いまは、そんなわけで、ものを知らないゆえに見当違いの悪口をいう人と、中途半端すぎてへんに石頭になっている人ばかりが目立つけれど、もうちょっときもの自体にじっさいに親しんで、「楽しむ」人が増えてくれたらいいなと思いましたので。
 本日は、そんなあたりをメモ代わりに。
 
 
夏きもの&簡単帯結び
2016年07月17日 (日) | 編集 |

 いつ以来になるのかちょっと思い出せないくらいお久しぶりで本日はきものの話を。

 わりとこう、「正絹(しょうけん)以外のものはきものじゃない」「きものを着るなら必ず正絹のものにすべき」「化繊は邪道」みたいな価値観のかたもいらっしゃるようですが。
 とくに夏のきものについては、私はこの意見には賛成しません。(^^;)

 暑いのを無理に我慢していたら、どうかすれば命に関わりますからねー。
 体に負担をかけずに快適に着る「べき」だと思いますね夏はとくに;;

 東レさんの、セオアルファと爽竹(そうたけ)、いいですよ〜。ほかにも同じように夏きものに適した素材もありそうですが、私が入手できたのはこのへんだったので。
 
 夏のきものはとにかく体調を維持できるもの、暑さに対抗できるもの、洗濯機で遠慮なく洗えるもののほうがいいです。
 いいですというより、私の実感としては「必須」ですね。(^^;)

 そりゃあ、冷房ががんがんに効いたところで過ごすとか、フォーマルな席へいくのなら、きちんとしたものを着ていくのが筋ですが、きもの=フォーマル、じゃないですから。

 だいたい、きものは正絹じゃないといかん、というのはどこから始まった概念だか、理解ができませんわ。
 庶民がまがりなりにも絹のきものを広く着られるようになったのは銘仙(めいせん)が大正期に発明されて以降のこと。きものの歴史の中では「ごく最近」と言えるくらい。

 江戸時代はきっぱり庶民には絹ものは禁止されていたし、じっさい、肉体労働にいそしむのに、たれもの(やわらかものと同意。染めの絹のきもののこと)なんぞ、長い袖をじゃらくらさせて、タラタラ着ちゃいられませんて。

 庶民のきものは長い間、麻で、江戸時代になってようやく木綿が加わるってところでした。
 化繊のきものときくととたんにバカにしてくる人については、知識が中途半端か、さもなければとてつもなく心や視野が狭いのだろうという解釈をしております。(^^;)
 もちろん、価値観や考え方の問題にすぎませんが——真っ当と思える理由もなく馬鹿にされれば多少はやり返す、くらいの気持ちはあるよってことです;;

 浴衣は木綿というイメージですよね。木綿も夏にはいいと思いますが、これ、湿気を吸うとだらだらしてくるし重くなるというのが……ちょっとつらい。
 
 浴衣はもとをたどると「湯帷子(ゆ・かたびら)」で、サウナのような蒸し風呂にはいるときに、汗取りとして着ていたもの。
 なかには「自分は、浴衣なんかで外出してはいけないと親に言われた」という方もいますが、これはもっともな感覚だと思いますね。
 バスローブでデートに行くヤツはいないでしょ、ってくらいの感覚ですね。

 とはいえ、現在の浴衣がバスローブ格ではないのは当然ですし、まずはきものに触ってみようというのにはうってつけの気軽さですし、よろしいと思います。

 ただ、長時間おでかけするなら、——木綿のものに比べるとちょっとばかり値は張りますが、そんなわけで吸湿速乾、科学の力の化繊素材をおすすめしますというお話。
 じっさい、木綿より楽なんですよ…。多少雨に降られたって平気だし。

 さらに。
 長時間のお出かけなら、浴衣の下に長襦袢を着ちゃえ、というおすすめ。

 長襦袢というのはいわば、ボディスーツやガードル、またはペチコートみたいなもので、アウターの形を整え、着心地をよくするという機能もあります。
 じっさい長襦袢を着た方が着崩れしない。
 暑いでしょうといわれますが——暑いことは、なにをどーしたっておんなじです;;
 だったら、汗も取ってくれて着崩れもしなくて着心地もいい方が、よろしいと思いますね。
 伊達や酔狂で着てんじゃないんですよ長襦袢も。(^^;)

 木綿の浴衣に長襦袢を着ても、もちろん構いません。夏のきものはようは単衣(ひとえ)、つまり裏地がないもののことなので。
 浴衣は棒襟(ぼうえり)だから襟幅を自分で調整しなくてもいいので、初心者さんには気軽でいいと思います。

 帯は半幅帯で。
 で、いちばん簡単な帯結びをひとつご紹介。

 半幅帯の、長さ半分のところを体の正面に当てまして(ひとりで着るときは背骨に当てて)、
2016-07-16 浴衣 - 1 (1)
(↑洗濯バサミは目印につけてます)

 ふつーにひと結びしまして。
2016-07-16 浴衣 - 2 (1)

 ふつーに蝶結びにしまして。
2016-07-16 浴衣 - 3 (1)

 タレを帯の内側に通しまして。
2016-07-16 浴衣 - 4 (1)

 結び目を隠すように垂らす。
2016-07-16 浴衣 - 5 (1)

 これだけ。

 自分で着るときは自分の体の正面で蝶結び作って巻きつけ、帯の下側を持って、右方向に帯をぐるっとまわして背中へ送ればできあがりです。

 帯が長くて、タレが長すぎるときは、結び目にぐるっと1周巻きつけてからでも。
 これは通常の浴衣用の半幅帯ですが、兵児帯(へこおび)でも可愛いかと思います。(^^)

 ご参考までに。
https://jp.pinterest.com/shimaiya/
姉妹屋・半幅帯
 
 
  
 
新型・お直しおばさんを目指す
2016年05月19日 (木) | 編集 |


 引用されているツイートが削除されてしまったので、こちらのツイートを見てもなんのこっちゃと思われるでしょうが、「きものを左前に着るような愚か者にはきものは着て欲しくない」という、なかなか激烈なことをいうツイートに対する、引用RTです。
 いやもう、ほんっっとにそのとおり! だと思ったのでついついそのまま引っ張ってきております。

 きものの着方がだらしないとかオカシイとか。そりゃなれてなければきれいに着られるわけないのよ。
 むしろそうやって、自分一人でがんばって着たんだな、偉いな、となぜ思ってやれぬ!!
 ということで、個人的には憤りがあることなのでつい。(^^;)

 以前にもちょこっと書いたことありますが、「お直しおばさん」のいやらしいところは、そうやって着崩れたのを直すのはいいんだけど、わざとらしく大声をあげて「あらあらたいへん」「こんな着方しちゃって」「もっとしっかり締めなきゃ」とか、いやみったらしいったらないこと。

 まわりの人は当然じろじろ見ていくし、いたたまれませんよね。
 私が知っている従前のお直しおばさんというのはそういう人たちで、「半襟は白」「足袋は白」「正絹(しょうけん)以外は邪道」という、意味不明の「信念」を「常識」として他人に押し付ける(しかも威丈高に)という特徴もあります。

 初心者にたいする気遣いなぞ欠片もない。
 きものに興味があったとしても、これじゃあ怖くて近寄れないという気持ちになるのは当然てもんです。
 だから私はあのお直しおばさんてのは、むしろきもの嫌いを増やすことに熱意を持ってるんだろう、と申し上げるわけです。

 私もそんなわけで今回はつい余計な返信をお送りしましたが、私の返信をまた引用RTしてくださったかたがいらっしゃいまして。
 そのかたは、そんな意地悪ではないわけで、「お直しおばさんは意地悪ではない」とおっしゃるのも、もっともなことと思いました。

 そのかたご自身は決して「意地悪なお直しおばさん」(……というかまだお若いかただと思う;; 少なくとも私よりは;;)ではない。
 本来なら、ちょっと着崩れて困っている人を助けられるんですから、ありがたく思われてもいいくらいでしょう。

 しかし従来のイメージにはそれがなく、むしろきもの嫌いを増やしてやがるということが多かったんですね。
 でも、お若いかたの中にも果敢に和装してくださるかたもいるし、「意地悪ではなく」きものについてあれこれ教えてくれようというかたもいる。
 てことで、今後は、「新型・お直しおばさん」が増えていけばいいのでは? と思った次第。

 GW中のスパコミでも着物姿の女性が多くて(願わくば殿方もぜひ!!!! 袴つけろとは言わないから!!)、あーやっぱりいいな〜と思いながら歩いておりました。
 私もひさびさ、着たかったんですが、あまり長時間になると体力的に自信がなかったので(帰りは自力で運転してかなきゃだしね)。

 そういうなかで、帯のタレがはねあがっているかたをお見かけして、「ごめんなさい、ちょっとタレ直しますね」と可能な限り小声で声をかけて、直しまして。
 
 どんなに気を使っていても、他人から指摘されて直されるというのは、気分のいいものではありません。どうしたって気後れするし、気まずいかんじになりますよね。
 ということで、そんな気分を吹き飛ばすために即、褒める!! ためらわず!!
 で、ちょこっときもの話で盛り上がって、じゃあどーも、といって立ち去る、と。

 これでいいんじゃない? と思いました。

 従前のおばさんがたのいちばんの間違いは、「いちいち他人をくさす」点にあると思われます。
 緊張しながら、それでもどきどき嬉しい気持ちで袖に手を通す、そういうきもの初心者の初々しくも繊細な気持ちを粉砕するんですよね、ああいうのって。
 褒められていやな気がする人はいない。お直しはお直しでいいがあとでその倍は褒め倒す。これでいけるんじゃないでしょうかお直しおばさんも。

「新型・お直しおばさん」の普及を目指そう。——と、勝手に心に決めました。

 あと。
 お母さんからきものについてあれこれ習って…というコメもありましたが。
 まあ、それができればいちばんいいでしょうけどね……すでにそろそろ50の坂が見えてきた私の世代がすでに、そういう意味では崩壊世代ですから、望み薄ですそういうの。

 うちはいちおう、私の母はきものを着るのはできましたが、私は着付け教室へ。
 それで思ったんですが、気に入った教室や先生が見つかったなら、そちらへ素直に通うことをおすすめします。
 
 と申しますのは、着付けというのもそれなりに進化しているものでありまして。
 同じように着るのでも、やはり現在はかなり、研究されています。可能な限り簡便に、しかも失敗も少なく、合理的にあるいは体系的に、技術として、整理されています。

 母から娘へ、というのも、ひとつの美しい幻想ではありましょうが、幻想は幻想。
 着るきものは現実のものですので、私としては、いいお教室があったらそちらへいって勉強することをおすすめします。
 私も習い覚えたことを母にフィードバック(?)しましたが、母も、ああなるほどね! といって採用しているようです(笑)

 母親から教わることは、着付け以外のことでいろいろあるし、これは逆に、システム化された教室では聞けない知恵だったり歴史だったりしますから。

 幻想と現実双方で折り合いをつけつつ、きものはやはり、見て楽しい着て嬉しいものなので、堅苦しく考えず、「日常」「褻」のものとして、浸透してくれることを願います。

 ということで、——自分のできるところから、まずは「新型・お直しおばさん」を目指します。
 人様の着付けを直せるように、もーちょっと勉強しますね。(^^;) ←ここんとこサボり気味
 
 
「女紋」続
2013年10月30日 (水) | 編集 |
 10月いっぱいは、当ブログのトップにおいておく予定の、「緊急 支援のお願い」、ブログ「まいにち譲渡会」様のその後の経過を拝見して、ちょっとホッとしました。

 まだ保護できていないにゃんこが20数頭いるということで、これまで保護された猫たちの状態から察するに、その、保護が難しい子たちがどれほどの状態に置かれているかを考えると、胸が痛みます。

 それでも、もう30数頭の猫たちが、安心できる環境にいられることを考えれば、よかった、と思います。
 些少ですが、今後も支援はしていきたいと思います。

       ●

 もうけっこう以前になりますが、ちょっとご紹介しました「女紋」。

「女紋」2013.05.10 エントリー
http://hsmile.blog4.fc2.com/blog-entry-3874.html

 その後、本を購入しておりまして。
 
 買ってよかった。勉強になりました。

 いろいろなことがナゾだった女紋ですが、だいぶ、その全体像がわかった、と思います。

 まず挙げておくべきなのは「女紋は西日本の風習。東日本ではほぼ皆無」だということ。

 母系の維持、女性の財産権という意味でも、女紋は興味深いものですね。

 で、結局女紋とはなにか? ということなんですが——これ、いろんなバージョンがあって、一通りではないのですね。

 ポジティブに考えれば母系を表現するもの、ネガティブに考えれば、「家紋は男のものなので女には使わせない」表れともいえる。

 とはいえ、女紋=母系というほど、話は単純ではなくて、家によっては、単純に男女で紋を分けているだけ。家紋はひとつと限ったことではなく、複数あることが珍しくないが(これホント)、そのうちのひとつを女性が使っているだけ、ということもあるし、母系ではなく、お姑さん→お嫁さん、として伝えるものもある。

 男紋だとどうもなにかと武張っているので、女性が身につけるのならもっとやわらかな、女性らしいデザインにしよう、という理由によるという側面もある。

 ということで、女紋とはこういうもの——とは、単純にはいえないんですね。

 地域ごと、はては家ごとに異なる考え方や伝え方のせいで、——皆さん、それぞれが「自分ちのやりかたが当たり前」だと思い込んでいるもんだから、そんなの常識じゃないの、なに考えてんの、と反目し合い、縁談が流れたというあほらしい話までがあるとなると——知らないということは、じつに罪なことですね。

 家紋と女紋で「格差」はないそうです。
 また、女紋にまつわるいろんな誤解は、じつは、呉服屋さんをはじめ、業者さん自身が(そのつもりはなくても結果的に)誤解を広めていることがけっこうあるみたいですね;;

 いずれにしても、わが東日本には本来的には女紋という習慣はないので、私が、ほぼ、そういうことを知らなかったのはなんの不思議もない、とわかって、腑に落ちました。

 私の場合は個人的に、自分が生まれた家を呪いまくり、こんなクサレた家の紋を着物に付けるなんてイヤだ、いっそのことぜんぶ洒落紋や「個」紋にしてやろうか、とまで思い詰めていたときに、「女紋」というものがあると聞いて、思わずふりかえった、——というのが実情。(^^;)

 母系のあかしの女紋が使えるなら、このクサレ家の紋なんか使わずに済むじゃないか! と、思わず身を乗り出しちゃったんです。
 が、案に相違して、「おたくの地域では、もともと女紋の習慣はないでしょ」といわれて、ちょっとがっかりでした。(^^ゞ

 でもまあ、東日本では女紋は「やってはいけない」というものではないし、西日本に嫁入りする人はあちらの風習に合わせて女紋をあらたに作って、支度をしていく人もあるわけですし。
(実家の紋を女紋として使う、お嫁さんのお母さんの実家の紋を使う、あらたに個人的に好きな紋を作っちゃう、と、やりかたはいろいろあるそうです)

 それに——本に載っている女紋の例というのは、なるほど、女性らしくてすてきなものが多くてですね。
 家紋の○を「雪輪」にするだけで、やわらかさと華やかさが出たりして、そのデザインのフレキシビリティ——柔軟性、融通性には、ちょっとびっくり。
 ほんのすこしデザインを変えるだけで、女性のものとわかる——そういう「印」になります。これはじっさいのものをご覧になっていただきたい。

 日本の家紋のデザインの面白さを褒めていた外国の方もありましたが、いやあ、これ、ちょっとしたアレンジだけで雰囲気ががらっと変わってくる、って、すごいですね。
 
 父の葬儀のときには私もだらしなくレンタル着物にしてしまいましたが、あのときの紋所が、丸に五三の桐でした。
 たぶんこれ、「山田」姓みたいに、ひろく一般的な紋だからこれになっているんだろうと思っていたんですが、じっさいは、五三の桐というのも、女紋として使われることが多かったデザインのひとつなんだそうですね。
 それでレンタル着物にも採用されているのかな。
 面白い。

 ともあれ、興味がある方はこちらの書籍を購入してもよろしいでしょうし、特設サイトもあります。

特設サイト「女紋」
http://omiyakamon.co.jp/onna-mon/index.html
トータルきものケア大宮華紋森本 (有)染色補正森本 様)

 こういうことがきちんとわかって、研究内容から由来も示すことができれば、せっかくの縁談をこんなことでこわすこともなくなりますから、頭の片隅にでも、こういうことは置いといてほしいです。 

 ということで私の場合、女紋というより「個紋」にしてもいいわけだ、——と思うとなんだか、いっきにつながれていた鎖から解放されたみたいな感じで、ちょっとウキウキしてきます。(^^)
 いろんなサンプルをみながら、個紋を作るとしたらどんなのがいいかな——薔薇が好きだからバラのアレンジとかってできないかなー、とか、考えているのも楽しいです。

 
女紋
2013年05月10日 (金) | 編集 |
 昨日の朝刊に、コラム……だと思うのですが、ちょっと面白い記事がありまして。

「母から娘へ 女紋」
 というお題。

 これは以前からちょっと悩んでいたものだったので、おお、と思ってスクラップ。
 着物は、正装には紋付がありますが、その紋について調べているときに、女紋というものがある、と聞きました。
 が、具体的なことが、どうもはっきりしない。

 よくわからないなあと思っていたので、この記事には思わず食いついてしまいました。

 いわく、

「家紋は男社会の象徴。武力を意味し、威圧感を与えるものも。
 対照的に、母から娘に受け継がれる女紋には、たおやかさ、しなやかさ、したたかさが宿る。」


 女紋は、「西日本、とくに京阪神から瀬戸内地方を中心に見られる風習」で「関東以北ではあまり知られていない」とのこと。
 なるほど、西日本の風習なら、私がこの女紋というものを知らなかったのは当然か。ひとまず、うちのほうでは聞きませんねえ。女紋。

 京都の染色補正師、森本景一さんのお話が紹介されていますが、
女紋は、実家の紋をそのまま使ったり、その家専用の女紋を用意していたりする場合もあるが、母から娘、そしてそのまた娘へと代々受け継がれる『母系紋』としての女紋が最も多い
 とのこと。

トータルきものケア大宮華紋森本 (有)染色補正森本
http://www.omiyakamon.co.jp

 家紋が庶民にまで広がったのは江戸時代で、女紋も同時期に生まれたそうで。
 女性の財産権を明示する目的もあったとか。
 女性の側には離婚を申し入れる権利がなかった時代ですが、亭主が勝手に妻君の財産を質入れすると、この場合は妻君の方から離婚を要求できたんだそうで。なるほど。
(駆け込み寺以外にも手段はあったわけですね。——どこまで実効的だったかはともかく)

 また家紋はそういうわけで「男社会における家の象徴」ゆえ、領地を意味するとか、威圧感を与えるものもある。
 これでは女性が使うのにはちょっとそぐわない、というので、同じようなデザインでありつつ、女性向けにアレンジしたものがあるんだそうで。

 違矢(ちがいや)、という家紋がありますね。2本の矢の羽根を、Xのように組み合わせたデザインですが、女紋では、矢の羽根ではなく、たたんだ状態の扇を交差させたデザインになる。
 たしかに、一気に雰囲気がやわらぎますね。なるほど。

 記事では例として、通常の橘(たちばな)の紋が、女紋だと、アラベスクみたいな丸に、可憐な橘の花が描かれて、わー、可愛いなー♡ ということに。
 
 私も、うちの家紋があまりにもツマラナイので、自分で訪問着をあつらえるときは洒落紋(しゃれもん)にしちゃおうかなと思ったくらいでしたが(本音はね。こんなク▲な家の紋なんか、せっかくの訪問着につけたくない、ということなんですがね。それをマトモに言うと角が立ちますんで)、なるほど、こういうデザインならいいわー、と思いました。

 上記、森本景一さんは、その調査をまとめて「女紋」という冊子を自費出版なさっているとのこと。
 購入はこちら↓で。

書籍「女紋 〜母子の絆〜」
http://omiyakamon.co.jp/onna-mon/reservation.html

 でもってこの女紋。こういうトラブルもある、とのこと。

「今日、とくに地域をまたぐ結婚の場合、女紋でのトラブルは少なくない。
「女紋も持っていない家なのか」と親が結婚に反対したり、逆に「実家からわざわざ自分の紋を用意してくるなんて失礼だ」と言ったように。」


 聞いてて乾いた笑いが出るわ……。(^^;)

 うちも、そういうわけですから女紋なんかない。母系を示すというのであれば、うちの母の実家の紋を、その橘の紋みたいに、可愛くしちゃって創作するのもありかなーと考えてみたり。
 
 後者のトラブルは、女紋とは限らず、たまーに耳にしますね。
 結婚するときに着物をあつらえることは多いでしょうが、その着物にいれる紋はどうするかは、あらかじめ、聞いておいたほうがいいんでしょうな。
 とはいえ——イマドキは、親の葬儀のときでももはや、黒紋付なんか着ないという人も増えているわけだし、まあそう目くじらをたてることでもないでしょ。
 
 私なんぞは結局、ふがいなくも、レンタルかりて着付けもお願いしちゃいましたよ。(^^;)
 もう気絶寸前だったので、そんなところまで気が回らず、葬儀屋さんに全面おまかせにしちゃいました;;
(その後の法事では自分で着ましたが)

 森本さんによれば、「女紋の精神をよく理解すれば、こうした誤解もなくなるはず」。
 そうであってもらいたいですね。

「女紋が表現するのは女性らしい美であり、母から娘へと受け継がれてきた美徳。そこには失われつつある日本女性ならではの雅の精神が込められている」


 なるほどね。
 日本男児の気概という美徳もなくなってますしね。
(小松左京御大の『昔の女』はそのへん、よくわかっている。——そういうところが好きでした、小松作品は)
旅する女―女シリーズ完全版 (光文社文庫)旅する女―女シリーズ完全版 (光文社文庫)
(2004/10)
小松 左京

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 ともあれ、地域的には私が女紋にこだわる理由はない、ということになるのですが(もとからその風習は存在していないから)、でも、失われつつある美に、もういちど触れるという意義はあると思うので、——そのご著書を購入してまた勉強したいと思います。

 
平成のハイカラさん
2013年04月16日 (火) | 編集 |
 今朝起き抜けのニュースが、ボストンマラソンでの爆発でした。
 今のところ情報が整理されておらず、何はともあれ参加者の安否確認が最優先の状況かと思います。
 すでに死傷者があるということで、ご関係者の方のご心配は察してあまりあります。

       ●

 うひゃー。これはすごい。
「振袖で乗れる自転車」!!

着物で乗れる自転車「KOTO LX 20」登場 京都発・工夫とこだわりを重ねた開発秘話
2013/04/13 06:00 cyclist


 私も着物を着て自動車を運転することはありますが……(たいてい対向車ドライバーには2度見されます;;)、自転車とはすごいな〜。

 着物を着ると、あまり足は開けません。内股で小幅ですすすすっと歩くしかないわけで——自転車というのはペダルを漕ぐ分だけ膝を高くあげるわけですから、最初に「振袖をきて自転車」と聞いたときは、姫御前(ひめごぜ)のあられもない、というようなものを想像しちゃいましたが。(^^ゞ

 上記記事の写真を見て、なるほどなーと感心。

 私がいちばん気になるのは、膝をどの程度まであげるのかということですが、写真だけだとちょっとわからないなあ。低床ということなので、その分だけでも膝をあげるのは少なくて済むだろうことはわかりますね。

 それにしても執念だわ…。日本の職人さんて……。
 この、ものを作る、ということへの情熱、(いい意味での)執念深さ。
 時代は変わっても、職人気質そのものの人が現れるところに、まだ、日本の文化は滅んじゃいないということを感じます。

 個人的には——ふつうの着物ならともかく、やはり、振袖はちょっと見ていて怖いなーという感じ。
 袖が——自転車にはひっかからなくても——走行中にひらりとひらめいた袖がどこかに引っかかりそうな、そういう危うさは感じます。

 袖が長いから、たすきがけしてもなあ、という感じだし……。
 筒袖に近い形状の上着を着てそこに袖を畳み込んじゃうとか、そういうことをつい考えてしまいます。
 それをやったらこういう美観は損なわれますが、安全のためには仕方ないか……。

 ともあれ需要がどれほどあって、どれくらい売れるだろうかというのは、確かに気になるところ。
 でも、低床ということで、きものとは限らず、スカートでも、あるいはまたぎやすさで高齢者にもよろしいというのは、なるほどと納得しますね。

 見た目は可愛いけれど、ちゃんと3段変速機も実装とのこと。
 日常の運転には充分でしょう。

 着物で自転車というのはハナっからあきらめていたことなので、こういうの、どれくらい需要があるのかと考えると想像ができませんが、日常をきもので過ごす人には、嬉しい自転車なんでしょうね。

 ハイカラさんもチャリに乗っていたけれど、あれは袴を着用してのことですからねえ。
(女袴は、ズボン式ではなくて、じつは巻きスカート状……ようはゆったりしたロングスカート)
 平成の御代では、面白いものが登場しました。
 しかも、こちらのほうが、きものを着ての乗車についての安全性が高い、というところが、これまたすごいです。(^^)